「自然と調和する葉山町」発酵料理家・山田奈美さんの神奈川移住体験

2023年2月21日

都心から田舎へ移住し、理想の暮らしを実現している人が増えています。しかし、新しい世界に飛び込むことに憧れつつも、なかなか一歩が踏み出せないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで神奈川県で人気急上昇中のエリア「葉山」へ移住した薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、葉山での暮らしぶりや葉山の魅力について伺いました。

山田奈美さんプロフィール

山田奈美さんプロフィール

薬膳・発酵料理家。食べごと研究所主宰。
大学卒業後、東京で編集・ライター業に従事したのち、結婚をキッカケに神奈川県の葉山へ移住。
現在は葉山の自宅兼スタジオである「古家1681」にて、「和食薬膳教室」「離乳食教室」「発酵教室」などを開催。著書に『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』『ぬか漬けの基本。はじめる、続ける』『季節のお漬けもの』『菌とともに生きる発酵暮らし』がある。YouTube動画「山田奈美の発酵暮らし」も更新中。

Instagram @nami_yamada.tabegoto
食べごと研究所
YouTube「山田奈美の発酵暮らし

畑や発酵食品に魅了された東京生活から、葉山移住へ

畑や発酵食品に魅了された東京生活から、葉山移住へ

20代の頃は、東京の世田谷区で雑誌の編集・ライターとして忙しい日々を過ごしていたという山田さん。昼夜問わずに仕事をこなしているうちに身体の不調を感じていたところ、取材先で薬膳の先生に出会い「食を見直そう」と決心したそう。

「30代になって区民農園で畑も始めて。たくさんの野菜を収穫できたのは良いんですが、一人では食べきれない…というところから、幼少期から慣れ親しんでいたぬか漬け作りが始まりました。仕事も雑誌を減らして書籍に変えていき、そこから少しずつ生活のリズムが整っていったように思います」

ぬか漬けをきっかけに発酵食品の魅力に引き込まれ、味噌作りや梅干し作りへと広がり、さらには薬膳の資格もとることになった山田さん。再び日々が忙しくなってきたことから、仲間と畑しごとを共有できるコミュニティ農園を作ろうと動き出します。集まったメンバーで茨城県の農家さんのもと勉強会を重ねNPO法人を立ち上げたものの、土地探しで行き詰ってしまったそうです。

「その当時、NPO法人のメンバーだった今の夫と結婚することになりました。結婚当初は私が住んでいた都内の一軒家で暮らしていたんですが、『畑ができるくらいの広い家へ引っ越したいな』と周りに話していたら、ある時この葉山の家を紹介されたんです。

初めて家を見に来たときは空き家の状態で、『広いしちょっとカビ臭さもあって、住めるかな』と不安でした。でも夫婦どちらもフリーランスでしたから、どこでも仕事はできるし、住んであげたほうが家も喜ぶよねと話し合った結果、思い切って移住することにしました」

移住時の不安ごとが、今では葉山の一番好きなところに

移住時の不安ごとが、今では葉山の一番好きなところに

移住してまず交通の不便さを痛感したという山田さん。
「葉山は逗子駅で電車を降りた後そこからバスしか交通の便がありません。運転免許を持たない私にとっては、かなり不便でした。買い物ひとつ行くのも、初めは大変に感じていました」

確かに葉山は逗子駅から少し離れていますが、それさえ慣れれば葉山暮らしは快適になると山田さんは続けます。

「今では、逆に電車がないことにメリットを感じています。駅がないことでこの自然豊かな環境が作られているんだと思うので、これからもこの環境は守られてほしいですね」

また実際に移住するにあたって、夫も精力的に動いてくれたことが山田さんの不安払拭に繋がったようです。

「夫は東京生まれ東京育ちで自然とは無縁の生活をしている人だったので、自然に飢えていたみたいです。畑をやることも葉山に来ることにも大賛成で、逆に私が『本当に大丈夫かな』と不安になりましたが、それは余計な心配だったようでした」

葉山移住で感じたこと、変化したこと

葉山へ移住して、山田さんの生活はどのように変化したのでしょうか。

葉山時間に出会う

料理教室が口コミで広がり大人気に

葉山に流れている『葉山時間』に驚いたという山田さん。
「街の人みんながイタリア人のようにマイペースで、約束の時間に遅れても悪びれずになんとなく集合していることに驚きました。実は私も元来マイペースな気質なので、すぐに都内よりこっちの方が合ってるなと感じました。

また葉山では、目に入るものすべてが自然のもの。この家も特にそうで、自然とのんびりできる空気が流れています。都内だとどこに行っても多くの広告に囲まれていて見ようとしなくても目に入ってきてしまいますが、そうした疲れがなくなりましたね」

料理教室が口コミで広がり大人気に

山田さんは葉山に移住して半年後、妊娠・出産と同時に編集の仕事はほぼやめて、料理教室だけに絞りました。新しい場所で生徒が1人もいない状態からのスタートだったため、やはり不安はかなりあったそうです。しかし毎年ゴールデンウィーク期間中に開催される「葉山芸術祭」というイベントで薬膳教室を始めてから、少しずつコミュニティが広がっていったそうです。

加えて葉山は、価値観の似てる人が集まっていると山田さんは言います。
「その当時、都内では私の伝えたいことを受け入れてもらえないことも多々あったんですが、ここでは進んで受け入れてもらえて、すごく居心地が良かったです」と溢れる笑顔を見せる山田さん。山田さんの活動が葉山で受け入れられたのは自然な流れだったようです。料理教室はリピーターも多く、今では一ヵ月に100人近くが訪れるほどの人気となっています。

子育てにもおすすめの葉山の魅力

葉山時間に出会う

最近は葉山への移住者が増えていると山田さんは言います。そこで実際に葉山へ移住して感じたことや葉山の魅力について伺いました。

「葉山は海と山が両方あって穏やかなところが魅力です。小さい頃から自然の中で自由に遊べるのは本当に子育てによい環境だと思います。あとは御用邸があるのでお巡りさんが多くて、比較的治安も良いと感じますね。

週末はあちこちでイベントが開催されていているのも楽しいですよ。」

神奈川への移住と子育てについては、こちらの記事でも取り上げています。

葉山へ移住して自分らしい暮らしを実現しよう

子育てにもおすすめの葉山の魅力

「暮らしを大事にしている人なら、葉山は絶対に楽しいと思います。本当にいろんな人がいて、自分の価値観や優先順位を大切にできるのが葉山の魅力です」と山田さん。

近頃は、賃貸の一軒家や貸別荘などを短期間レンタルして葉山暮らしを体験する人が増えているそうです。

「週末だけ海辺で過ごしたいという方も多くて、普段できない趣味を思いっきり楽しめる環境があります。一度体験すれば、きっと移住したくなりますよ」と山田さんは葉山での心地よい暮らしについて話してくれました。

また、『子どもに自然体験をさせてあげたい』と考える子育て世帯の人にも最適な環境が揃っています。理想の暮らしを叶えるために、まずは移住体験から始めてみませんか?

神奈川での暮らしを検討している方はこちらも参考にしてください。