狭い土地には3階建て!間取りや容積率、高さ制限などポイントを紹介。後悔しないためにデメリットや費用もチェック

2024年2月1日

限られた土地の広さでも夢の一戸建てを可能にする3階建て。3階建ての家づくりにはいくつか気を付けるべきポイントがあります。この記事では、3階建ての家のメリットや、後悔しないために知っておくべきデメリット、そして間取りや容積率、高さ制限について紹介します。また2階建てとの平均費用の比較も見てみましょう。

3階建てのメリット

3階建ての家の模型

3階建ては平屋や2階建てよりも階数が高く、それによってさまざまなメリットがあります。まずは3階建てのメリットについて見ていきましょう。

限られた土地を最大限に活用できる

3階建てなら、土地面積が小さくても容量を確保できるのが魅力です。例えば利便性の良いエリアに住みたいと考えたとしても、そのような土地は土地代が高いことがほとんど。土地購入コストがかさんで、予算を超えてしまうかもしれません。しかし3階建てにして狭小地を購入候補地に入れれば、理想の土地に住むことも可能です。住みたい土地をあきらめなくて済むのは、家づくりを考える上で大きなメリットと言えるでしょう。

快適な眺望・採光・通風を確保できる

3階建ては平屋や2階建てよりも高さがあります。密集地と言われるエリアに家を建てたとしても、上から十分な光や風を取り込みやすくなるでしょう。たとえ狭小地に居を構えたとしても、吹き抜けや天窓を作れば、閉塞感は軽減され、明るく開放感のある我が家の実現が可能です。加えて周辺に高い建物が無ければ、この上なく良い眺望が望めます。

水害対策になる

3階建てなら、台風や大雨による浸水被害を免れやすいというメリットも。たとえ1階部分が浸水しても、居住エリアは2・3階とあります。家財や貴重品を2階以上に置けば、浸水被害に遭う可能性は少なくなります。万が一浸水被害に遭ったとしても、居住エリアを確保しつつ復旧作業に取り組めるでしょう。特に冠水しやすい土地なら、3階建てのメリットは大きいはずです。

3階建てのデメリット

悩む家族

3階建ての「高さがある」点はデメリットにもなりやすいと言えます。3階建てのデメリットを見ていきましょう。

生活導線が不便になることがある

3階建ては縦の移動が多くなるため、階段の上り下りを面倒に感じるかもしれません。特に小さい子どもがいる家庭は、子どもの様子から目が離せなくなるでしょう。また高齢になると、階段が多い家での上下移動はつらくなるかもしれません。足腰が弱ってくれば、階段を踏み外すリスクも高くなります。

維持費用・設備費用がかかる

3階建てで外壁補修などをする場合、必然的に高所作業となります。平屋や2階建ての家よりも作業の難易度が上がる分、工事費用は高額になるでしょう。またエアコンを設置したり家具を搬入したりする場合なども、いわゆる「標準取り付け」からは除外されるかもしれません。この場合、別途割増料金を取られることがあります。

冷暖房効率が悪くなる

3階建てで採光や風通しを確保しようとしたとき、多くの人は吹き抜けデザインなどを採用します。しかし吹き抜けにしてしまうと、温かい空気は上に、冷たい空気は下にたまります。必然的に冷暖房の効きが悪いと感じることが多くなるかもしれません。

揺れをより大きく感じる

地面から離れた高い建物ほど、揺れを強く感じます。平屋や2階建てと比較すると、3階建ては地震のときの影響が大きいかもしれません。また地震以外でも、台風・トラックの運行などで家の揺れを激しく感じる可能性もあります。地震大国・日本で3階建てを選択する場合は、耐震性のチェックが必須です。

3階建てを建てる際のポイント

家の図面

3階建ての建築は、間取りに工夫が必要な上、建築基準法に則っておこなわれなければなりません。3階建てに課される規制や間取りのコツを知り、どのような点に注意すべきか理解しましょう。

1.間取り

3階建ては階段が多い分、デッドスペースが増えがちです。収納を確保したい場合は、階段下収納を設置してください。また床面積を増やしたい場合は、廊下をなくした方が広くなります。リビング階段の設置もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。この他「フロアが多くて目が行き届かない」という不安がある場合は、吹き抜けにすると家を見通しやすく、開放感が出るでしょう。

2.土地に対し建築可能な延べ床面積「容積率」

容積率とは、土地面積に対する建築可能な延べ床面積の比率のことです。土地によって定められている容積率は異なるため、数値を超えないようにしなければなりません。一般的に、3階建ては延べ床面積が大きくなりがち。購入した土地の容積率が低く設定されていた場合、建築基準法違反に該当する恐れがあるでしょう。

3.建てられる高さ「日影制限」

日影制限とは、周辺の居住環境を保護するために定められた建築基準法上の制限のこと。「中高層の建物によって生じる日影を一定時間内に抑えること」を目的としており、3階建ても例外ではありません。日影制限では、敷地境界線の外側5メートルから10メートルの間とその外側でそれぞれ規制時間があります。制限時間は地域によって異なりますが、規制時間以上の日影ができてしまう場合は、家をもっと低くする必要が出てくるでしょう。

3階建てと2階建て。費用の違いが出やすいポイント

計算機を見せる人

3階建てと2階建ては、建築費・土地取得費用などでコストの違いが顕著です。どのような差があるのか具体的に見ていきましょう。

建築費が割高になる傾向にある

基本的に3階建ては、2階建てよりも建物価格が2~3割高くなる傾向にあります。3階建てを依頼する場合は、経験豊かな会社に依頼しましょう。経験不足の会社の場合、効率的な工事がおこなわれにくく、ムダなコストがかかる可能性が高くなってしまいます。

構造計算費用・地盤改良費用がネック

3階建ては構造計算と土地調査が必須です。構造計算の結果不備があれば、梁や柱などの増量は必須。必然的に建築コストはかさむでしょう。また3階建ては重量があるため、土地調査が必須となります。調査の結果「地盤改良が必要」と認められた場合は、50~100万円のコストがかかってしまうかもしれません。これに対し一定の大きさを持つ2階建ての建物は、構造計算書の提出が不要です。構造計算費用の負担もなく、予想外のコストがかかるリスクは少ないと言えます。

土地取得費用は2階建てより安価なことも

縦にスペースを取る分、3階建ては2階建てほど多くの土地を必要としません。同じ場所に同じ面積の家を建てた場合、土地取得費用は安く済むケースがほとんどです。特に地価の高い場所に家を建てる場合、土地取得費用はネックとなります。狭い土地でも容量を確保できる3階建てのメリットは大きいでしょう。

3階建てのモデルハウスを見学してみよう。おすすめの住宅展示場

家の紹介を受ける家族

3階建てを検討しているなら、住宅展示場へ足を運んでみましょう。モデルハウスを見学すれば、頭の中の理想がより具体的になるかもしれません。3階建てモデルハウスが豊富にそろう住宅展示場を紹介します。

港北インター住宅公園

第三京浜・首都高速「横浜港北JCT」目の前にある住宅展示場です。場内は広々としており、リゾート地のような明るい雰囲気。散歩気分で、気軽に最新設備を備えた有名ハウスメーカーのモデルハウスを見学できます。

武蔵小杉住宅展示場

JR・東急東横線・東急目黒線武蔵小杉駅・JR武蔵中原駅から徒歩圏内で、好アクセスの住宅展示場です。洗練されたモダンなモデルハウスがたくさん建ち並び、理想の家づくりをイメージできます。セミナー・イベントなども開催されているので、気軽に参加してみてはいかがでしょうか。

お近くの3階建てのモデルハウスが見学できる住宅展示場を探しましょう。

3階建てのメリット・デメリットを知り理想の我が家を実現しよう

幸せそうな家族

3階建て住宅は、スペースを確保しやすく採光・通風・眺望も良好。ただし3階建ての建築をスムーズかつローコストで進めるには、土地の制限・エリアの規制などを事前にしっかりと確認することが必須です。3階建ては理想の我が家を実現したい人にとって、有力な選択肢の1つとなるでしょう。