戸建ての火災保険の相場はいくら?必要な補償の見極め方を知って賢く選ぼう

2024年3月19日

万が一の事態に備えて加入する火災保険。必要な補償のみを契約できるように、火災保険料の決定基準や、保険の選び方を知りましょう。この記事では火災保険の必要性と相場、決定基準、選び方、注意点を紹介します。必要な補償の見極め方を知って、自分に合った火災保険を賢く選びましょう。

火災保険の必要性と相場

火災だけでなく、落雷や風災の損害も補償する火災保険。火災保険は建物の構造や所在地で金額が変わります。まずは火災保険の必要性と相場を確認しましょう。

加入しておきたい火災保険

火災保険は損害保険の一つです。火災はもちろん、「落雷や風災、雪災、破裂・爆発などによる建物と家財の損害」を補償します。ここで言う建物は、建物本体とそれに付随する設備(門や塀、車庫や物置など)のことで、家財は家の中にある物品全般のことを指します。万一の事態に備え、戸建てやマンションにかかわらず、加入しておきたいものです。

火災保険ははっきりとした相場がない

火災保険は建物の構造や所在地、補償内容で金額が異なるため、はっきりとした相場がありません。そのため、自分に合う保険を知りたい、お得に契約したい人は複数社から見積もりを取り、比較検討をしましょう。

火災保険の比較検討をするには、自分自身で火災保険の仕組みを知っておく必要があります。次の章では、火災保険相場の決定基準を紹介します。

火災保険料の金額の決まり方

火災保険の保険料は建物の構造や所在地、面積、築年数、居住形態を基に算定されます。火災保険料の金額の決まり方を紹介します。

建物の構造による火災保険料の決まり方

火災保険料は、建物の構造で大きく異なります。火災保険は燃えにくさや壊れにくさから建物の構造を評価。一般的には「M構造(コンクリート造りのマンションなど)」が最も低く、次に「T構造(鉄骨造の戸建ての建物)」など、最も高いのが「H構造(木造住宅の戸建ての建物)」と言われています。

所在地・面積・築年数・居住形態による火災保険料の決まり方

水害や台風、大雪の被害を受けやすい地域は、火災保険料が高くなる傾向にあります。専有・延床面積が広いほど、火災保険料が高いです。保険会社の中には、「築浅割引き制度」を設けているところがあり、築年数が浅いほど保険料が安いです。

火災保険の補償の見極め方

火災保険料はできるだけ抑えたいものですが、必要な補償まで削らないようにしましょう。火災保険は「補償対象、補償範囲、保険期間」に重点を置いて選んでみてください。火災保険の選び方を紹介します。

補償対象を見極める

火災保険の種類は「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」の3つ。建物には建物の基礎部分の他、浴槽やキッチン、車庫、塀、門なども含まれます。家財は家具や家電製品、食器、日用品などが対象です。

建物のみの保険だと、建物が受けた被害の分の保険は受け取れますが、家財の被害は受け取れません。家財のみだと、建物の保険が対象外になります。そのため、建物と家財の両方を補償対象にする人が多いです。

補償範囲を見極める

火災保険の基本の補償対象は「火災、落雷、風災、雪災、雹(ひょう)災」。水災まで補償範囲を広げることも可能です。例えば家の近くに河川がある場合や、土砂崩れの恐れがあるエリアの場合、ゲリラ豪雨で下水が溢れる恐れがある場合は、水害補償まで範囲を広げた方が良いでしょう。

自宅の火事などが原因で、近隣の住宅や家財が延燃した場合に保証する、失火見舞費用特約もあります。この特約を付加していない場合は、近隣住宅の補償はありません。これは逆も言えます。近隣からの延燃で火災しても、「失火責任法」により重大な過失がある以外は、近隣の人は保証しないで良いため、自分の保険を使わなければなりません。

ただし、補償範囲を広げると、その分保険料は高くなります。そのため、補償範囲を見極めることが重要なのです。

保険期間と支払い方法を見極める

火災保険の保険期間は1年~最長10年間まで選べます。保険期間が長いほど、保険料が安くなります。また、月払いや年払いよりも一括での支払いの方が総額は安いです。火災保険はかけ捨てですが、保険期間中の解約であれば、残りの保険期間に応じて解約払戻金が支払われます。

火災保険の注意点

火災保険の補償は住宅の引き渡し日から開始するようにしましょう。また、地震による火災は火災保険の対象外です。地震の損害は地震保険で補償できますよ。最後に火災保険の注意点を紹介します。

補償開始日は住宅の引き渡し日にする

住宅の引き渡し日から火災保険の補償を開始できます。しかし、手続きが遅れると、住宅の引き渡し日から補償が開始されるまでの期間の損害は補償されません。引き渡し日に補償が開始できるように、手続きを済ませるのが大切です。

保険会社の選定、見積もりの比較検討、申し込みから補償開始までに時間を要することを想定して、引き渡し日の2ヵ月前から、火災保険の検討を始めましょう。加入申し込みから補償が開始されるまでの期間は2週間と想定し、それまでに申し込みを済ませておくと安心です。

再調達価額で契約する

火災保険料は、再調達価額で契約しましょう。再調達価額とは火災などで建物や家財が全損してしまったときに、それらを再建、または新たに購入するのに必要な金額のこと。各保険会社の算出方法により、保険金が設定されます。

火災保険は時価での契約も可能ですが、時価だと建物を失った時点の再調達価額から、経年劣化などによる消耗分をマイナスした金額が保険金になります。つまり、元通りに再建するのが難しくなる場合もあります。

時価で契約している人は、再調達価額に変更してください。再調達価額は建築後、時間が経過していても、元通りにするために必要な費用を保険金として受け取れます。時価の契約と比較すると、より大きな安心を得られるはずです。

地震保険も契約する

地震が原因による建物や家財の損害は、火災保険の補償対象外です。つまり、地震が原因で火災が生じても、火災保険では補償を受けられません。地震への備えとして、地震保険の契約も検討しましょう。

地震保険では、火災保険で補償されない地震や噴火による津波や火災、損壊、埋没または流失による損害も補償します。ただし、地震保険は、火災保険に付帯する保険のため、火災保険を契約していることが前提です。

地震保険の金額は、火災保険料の30パーセント~50パーセントの範囲内で、建物は5,000万円、家財は1,000万円の上限が設けられています。

必要な補償を見極めて火災保険を契約しよう

火災保険は建物の構造や所在地などを基に保険料を算定します。少しでも火災保険の金額を抑えたい人には、一括支払いがおすすめ。総額の保険料を抑えられます。また、住宅の引き渡しから補償できるように、引き渡し日の2ヵ月前から行動し、必要な補償を見極めて火災保険を契約してくださいね。

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