家を建てる流れとは。住宅ローンやかかる費用についても徹底解説

2024年3月1日

家を建てる流れをあらかじめ知っておくと、順調に家づくりができます。また、住宅ローンや減税措置など、お金について把握しておくことも大事です。本記事では、家を建てる流れやはじめに知っておくべきお金のこと、注意点を紹介します。流れや予算のポイントを理解して、家族にとって住みやすい家を建てましょう!

家を建てる流れ

パソコンを見ながら話し合う夫婦

家を建てたいと考えだしたら、まずは家族で話し合い、ある程度の希望条件をまとめることから始めましょう。ここでは家を建てる流れを解説します。

①エリアや予算など家族の希望条件をまとめる

まずは住みたいエリア、予算について家族で話しをまとめましょう。首都圏の相場は土地+建物でおよそ4,993万円です(「2019年度 フラット35利用者調査」|住宅金融支援機構参照)。予算は準備できる金額と、余裕をもって返済できる住宅ローンで考えてください。住宅ローンの1年の返済額は、年収の25〜35%以内とする金融機関が多いです。

土地探しをするときは、不動産会社やインターネットなども活用してみましょう。最新情報のチェックや、たくさんの土地を効率良く比較検討できます。リサーチしていくと、希望エリアの相場も見えてくるはずです。予算に合わせて立地条件や広さを変えてみてください。

②住宅展示場に足を運ぶ

住みたいエリアの候補がでたら、そのエリア付近の住宅展示場に行ってみましょう。特徴が異なるモデルハウスを見学して比較検討したり、最新設備をチェックしたりできます。各ハウスメーカーはたくさんの土地情報を扱っているので、土地探しの相談をするのも手です。

見学するときは筆記用具やメモ帳、メジャー、デジカメまたはカメラを持参してください。メジャーは収納の広さなどを測るときに便利。また、住宅展示場へは電話やインターネットで予約をしてから行くとスムーズです。

首都圏の住宅展示場へ行きたい人は、下記サイトをチェックしてみてください。

③建てたい家のイメージを話し合う

モデルハウス見学時にもらったカタログなどを参考に、どのような家を建てたいか家族で話し合います。希望の家を建てられるハウスメーカーはどこかなど、具体的な内容を決めていきましょう。候補を絞ったら、再度モデルハウスの見学をしてみてください。

④ハウスメーカーに依頼する

敷地調査などをおこない、候補のハウスメーカーに設計プランと見積もりを依頼しましょう。それらを比較して1社に絞り、実施設計図と本見積もりを依頼してください。そしてハウスメーカーと工事費用や条件を再確認して、工事請負契約を結びます。

契約するときには聞きなれない専門用語を多く耳にするもの。わかならい用語は、しっかりと調べてから契約を結ぶことが大事です。支払金額や支払い時期のチェックも忘れずに。

建設中は騒音が発生するため、地鎮祭(工事前におこなう、その土地を守る神様から土地の利用許可を得るための儀式)や工事前に、近所に挨拶回りをしてください。住宅が完成したら立ち合いをして、不具合や施工ミスの確認をします。問題がなければ、これで引き渡しとなります。

家を建てる前に知っておくべきお金のこと

家の模型と間取り図と電卓

家にかかるお金は、土地や建物だけではありません。ここでは家を建てる際にかかる費用や税金を紹介します。頭金やローンなどの支払い方法についても解説しているので、そちらも確認しましょう。

家を建てるのにかかる費用

家を建てるには、建物本体の工事費(標準仕様の内装、設備も含む)はもちろん、土地代、外構、屋外給排水工事などの別途工事費、税金や登記などの諸経費が必要です。諸経費は、土地+建築費を合計した金額の10〜15%ほどかかるでしょう。希望のハウスメーカーと資金計画の相談もしてみてください。

用意する頭金

できれば頭金は建築費の3割ほどが望ましいです。しっかりとした資金計画のもと、家を建てましょう。

住宅ローンの決め方

住宅ローンには、銀行などの民間金融機関によるものと、自治体や財形などの公的融資があります。融資の条件や申し込み資格、借入限度額などがそれぞれ異なります。金利などが大きく変わるケースもあるため、比較検討が大事です。

金利は以下のとおり大きく3つに分類されます。

  • 返済期間に金利が定期変動する「変動金利型」
  • 返済期間中に金利が変わらない「全期間固定金利型」
  • 借りた人が決めた期間中は同じ金利になる「固定金利期間選択型」

金利動向に対応できる人には変動金利型、計画的に返済したい人には固定金利型がおすすめ。固定金利期間選択型は銀行ローンに多く、「2年、3年、5年、10年、15年」などから固定金利期間を選択できます。

民間の住宅ローンは、物件の担保価格と、ローン契約者の収入や勤続年数により反映される返済能力によって決められます。税金や年金保険料の支払い状況、過去の金融機関でのトラブル(クレジットカードやローンの遅延など)でも信用度が審査されるでしょう。住宅ローンは、今後のライフプランのことも考えて組むのが大事です。

家を建てるときや建てた後に必要な税金

家を建てるときには、消費税や印紙税、登録免許税、不動産取得税などがかかります。土地は非課税ですが、建物には消費税がかかります。建物建築請負契約、住宅ローンの借入契約、土地の売買契約のときには印紙に関する税金が必要です。所有権保存登記や、住宅ローンの抵当権設定登記、土地の所有権移転登記のときには登録免許税がかかります。

また、土地や建物を取得すると不動産取得税が必要です。親たちから資金を援助してもらうときには、贈与税の申告をしてください。家を建てるときには、住宅資金贈与特例が設けられます。相続財産として課税する相続時精算課税制度も。この制度は、当面の贈与税の非課税枠を大きくして、生前分を軽減します。

建物を購入した後には、固定資産税や都市計画税が必要です。新築と住宅用地には固定資産税の軽減措置があります。地方自治体の条例によっては、都市計画税が軽減されることもあるようです。

税金の減税制度や特例措置

税金がかかる一方で、住宅ローン減税や投資型減税などの減税制度、特例措置もあります。住宅ローン減税とは、所得税から控除される税金のこと。控除額は、10年間で最高400万円(長期優良住宅の場合は最高500万円)です。

投資型減税は、ローンを組まずに現金で住宅を取得した際に適用される減税です。取得した年の所得税から控除されます。これらの控除を受けるには、住宅取得後の確定申告が必要です。

家を建てる際の注意点

ここでは、家を建てる前にもう一度チェックしてほしい項目を解説します。家を建てる際の注意点を確認して、後悔のない家づくりをしましょう。

地震や自然災害のことを想定する

地震や台風、豪雨などの自然災害はいつ起こるかわかりません。家を建てる前に、国道交通省が運営するハザードマップポータルサイトを活用して、住まいで起こりうる災害を事前にチェックしてみて。そして、家の耐久や耐震性能へと活かしましょう。

仕上げ材を確認する

仕上げ材とは、壁や天井、床などの仕上げに使う材料のこと。見た目に大きく影響するため、サンプルをしっかりと確認してください。イメージしやすいよう、できるだけ大きなサンプルを用意してもらいましょう。

収納・生活動線・コンセントの配置を確認する

家を建てるときには、収納場所やコンセントの配置なども確認が必要です。それぞれ詳しく解説します。

【収納】

荷物の量や家族の人数のことを考えて、収納スペースを決めましょう。収納スペースの数が足りない場合、収納箱なども検討してみてください。

【生活動線】

生活動線とは、各部屋を行き来するときの動線のこと。これをもとに、家事のしやすい配置、トイレなどの誰もが使う場所の配置、来客時にプライベートな部分を見せないようにする間取りなどを考えて、家を建てましょう。

【コンセントの配置】

コンセントは、設計段階で念入りに確認することが大事です。家電のことを考えて配置してください。引っ越し前の住まいで、タコ足配線の場所をもとに配置を考えると決めやすいです。テレビの周辺機器が多い場合は、テレビ周辺のコンセントを多めにしましょう。

廊下や階段付近、ベランダ、庭なども、コンセントが必要かどうか考えてみてください。

ライフプランを考えて理想の家を建てよう

 

スマートフォンで良い情報を見つけた夫婦

家族によって、家を建てる際に重視することは異なります。また、予算によって建てられる家も変わるもの。まずはしっかりと予算を決め、家を建てるときには今回紹介した注意点をもう一度チェックしてください。ライフプランを考えて、家族にとって理想の家を建てましょう。