狭小住宅の間取りアイディア。スペースを最大限に活かす方法を紹介

2024年1月20日

狭小住宅とは、約15坪、50平方メートル以下の土地に建つ住宅を指します。「狭いこと」はよくデメリットに捉えられますが、工夫次第で住み心地の良い家になるものです。本記事では、狭小住宅の定義やメリット、おすすめの間取りのアイディアを紹介します。狭小住宅の狭さが気になっている人は、不安解消のヒントにしてください。

狭小住宅とは

日本の狭小住宅

狭小住宅とは狭くて小さい土地に建つ家です。どのようなものなのか、具体的に紹介します。

狭くて小さい土地に建つ家

狭小住宅とは、狭く小さい土地に建てられた戸建てを指します。明確な定義はありませんが、約15坪、50平方メートル以下の土地に建てられた住宅について言うのが一般的です。

「狭小地でも、土地いっぱいに家を建てられれば何とかなるのでは」と思う人もいるかもしれません。しかし、土地にはそれぞれ都市計画によって定められた「建ぺい率*の上限」があります。場所によっては、狭い土地の一部にしか家を建てられないケースもあります。

*建ぺい率…敷地面積に対する、建築面積の割合のこと

狭小住宅のメリット・デメリット

手のひらにのった小さな家

狭小住宅のメリットは「安く購入できること」「税金を抑えられること」、一方デメリットは「設計上の制約が多いこと」です。それぞれについて詳しく紹介します。

メリット:都市部の人気エリアでも比較的安く買える

狭小地なら、坪単価の高い都市部の土地でも手が届くかもしれません。土地購入のハードルが下がり、家を建てる場所の選択肢が広がります。

都市部の人気エリアは交通インフラが整っていて、通勤・通学に便利。だからこそ相場は高くなりますが、狭小住宅となれば都市部の人気エリアにマイホームを持つことも夢ではないでしょう。

メリット:税金を安く抑えられる

狭小地が住宅用地で200平方メートル以内の広さなら、「小規模住宅地」に該当します。固定資産税や都市計画税で減税措置が適用され、税金が安くなるでしょう。

一般に、固定資産税や都市計画税は「土地の評価額×定められた税率」で算出されます。「小規模住宅地」の場合、固定資産税なら元の評価額の1/6、都市計画税なら1/3まで「土地の評価額」が減額される決まりです。税金算出の際のベースとなる評価額が下がれば、税金もおのずと安くなります。

デメリット:設計上の制約条件が多い

狭小住宅には、以下のような懸念材料があります。

  • スペース不足
  • 隣接する建物によっては太陽光による採光・得られる熱効果が不十分になる
  • 通風の確保が難しい
  • 隣家・道路の騒音
  • 延焼対策
  • 消火作業 ・避難経路への配慮

こうした懸念を解決するには、スペースや日当たりへの工夫が必要です。しかし、家を建てる際は斜線制限や高さ制限といった、さまざまな法的規制があります。これに抵触しないよう問題を解決するのは難しい場合もあるので、一筋縄にはいきません。

狭小住宅で取り入れたい間取りのアイディア

家の模型

狭小住宅は、工夫次第で圧迫感や狭さを感じずに暮らせます。狭小住宅の間取りを考えるとき、覚えておきたいポイントを見ていきましょう。

高窓や地窓を取り入れる

吹き抜けがある家

窓を作るときは、隣人と向き合わずに済む場所に作るのがおすすめです。例えば、家屋の上部に天窓を設けて吹き抜けにするなど。横面に窓を設置できなくても、家全体を明るくできます。

また、地窓を作れば、人の目線を気にせずに空気の通り道を確保できます。

空間を仕切らない

スキップフロアの家

狭小住宅で仕切りを多用すると、より狭さが強調されます。狭い家だからこそ、家全体をひとつの空間と捉えてプランを立てましょう。

狭小住宅には、立体的に活用できるスキップフロアの設置がおすすめです。スキップフロアとは、床の高さを半階ずつずらしてできたスペース。上下階とはゆるく階段でつながっており、奥行きや立体感を演出できます。

「どうしても仕切りが欲しい」という場合は、家具で仕切るのがおすすめです。壁で仕切るよりも閉塞感が少なく、さほど狭さを感じさせません。

造作家具で収納力を上げる

狭小住宅では、収納が大きな課題です。収納を最適化できるよう、収納家具や棚はオーダーメイドしてみてはいかがでしょうか。既製品の収納家具や棚に物を収納しようとすると、どうしても「足りない」「いらない」が出てきます。後であれこれと買い足す手間やコストを考えれば、初めから物の量に併せて自作した方が効率的です。

家事・生活動線を意識した間取りにする

水回りがまとまった間取り家事や生活動線を無視した間取りにすると、毎日家中を何往復もするはめになります。間取りを考えるときは、日常的な動線を意識することが大切です。例えば、起床から出かけるまでの動きをイメージしてみてください。着替え、洗面、食事などをスムーズにおこなうには、どのような間取りが望ましいでしょうか?自分や家族の毎日のルーチンを考えてみると、理想的な間取りが見えやすくなります。

浴室やキッチン、トイレといった水回りは、同じフロアにまとめるとムダがありません。配管にかかる費用も安くなるため、コスト面でもメリットがあります。

リビングを家の中心にする

2Fリビングの家

リビングは、家族同士がコミュニケーションを取るための大切な場所です。家の中心がコミュニケーションスペースとなるよう設置するのがおすすめ。例えば、3階建ての狭小住宅でリビングが2階にあれば、上下階からアクセスしやすくなります。また、家族が集まったり移動したりしやすく、リビングが正に家族の生活拠点となるでしょう。

デッドスペースを活用する

階段の下や天井までの空間は、いわゆるデッドスペースです。狭小住宅では、これらを有効に使うことが収納スペース確保につながります。

「階段下にトイレや収納スペースを設置する」「壁面にフックなどを取り付けてつるす収納を増やす」などの手段があります。家のあちこちを見直してみると、このように意外と使えそうな場所が見つかるかもしれません。

理想の狭小住宅を実現するためのポイント

打ち合わせ中の夫婦

思い通りの家づくりをかなえるために、やってほしいことを紹介します。理想の狭小住宅を実現したいとき、これらのポイントに注意しましょう。

可変性のある間取りにする

狭小住宅では、間取りを固定しない方が使い勝手が良くなるでしょう。まずは大きなスペースを確保し、必要があれば間仕切りやパーティションで仕切ります。この他、可動式家具を置くのも良い方法です。

間取りに可変性を持たせておくと、部屋の用途を限定せずに済みます。子どもが複数いる家庭なら、子どもが小さいうちは大きなスペースで一緒に過ごし、成長したら部屋を仕切って個室を作るなどもできます。

納得がいくまでハウスメーカーと話し合う

狭小住宅を建てるとき、以下の点については必ず確認しましょう。

  • 採光・防音:快適に暮らすためには、採光・防音を加味した設計が重要です。ハウスメーカーの対応について意見を聞くとともに、吹き抜けや天井窓などを提案してみてください。
  • 収納スペース:狭小住宅では収納スペースの確保は特に重要です。まずは家族にどれほどの収納スペースが必要かを割り出し、その上でハウスメーカーに相談します。
  • 工事費:前述の通り、狭小住宅はさまざまな制約をクリアしながら建てる必要があります。そのため、必然的に工事費が高額になりやすいもの。どこにいくらお金がかかるのか確認しておくことが大切です。

住宅展示場に足を運んでみる

モデルハウスを見れば、実際に家を建てたときの様子をイメージしやすくなります。狭小住宅を選択肢に入れている人は、狭小エリアにある川崎住宅公園の住宅展示場がおすすめです。

なかでもチェックしたいのが、ミサワホームの「GENIUS ViKi FEMY」です。同面積なら他工法より一回り広い室内面積を実現します。変形敷地や狭小敷地にも対応可能なので、良いイメージモデルとなるでしょう。

もちろん、他の住宅展示場にも参考になるモデルハウスがそろっているので、そちらもぜひチェックを。

お近くの展示場はこちらから

間取りを工夫すれば狭小住宅でも快適に暮らせる

笑顔の3人家族

狭小住宅は、間取りにより住み心地が大きく変わります。スキップフロアなどを用いて、間仕切りのない空間などを作り、開放感のある住まいを目指しましょう。また、収納スペースの不足を防ぐため、不要な物を持ち込まないようにすることも大切です。

家族のスタイルに合う家づくりに悩んだら、ぜひ住宅展示場へ。住まいのプロに相談することで、具体的なイメージが湧いてくるかもしれませんね。