家を建てる時期はいつ? ライフステージや季節のベストタイミング

2023年3月24日

人生で最も高額な買い物といえるものが「家」です。家を建てる時期に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、家を建てる時期を決める3つのポイントを紹介します。

1年のうち、どの時期が適しているかも紹介するので、家づくりを検討している方は参考にしてみてくださいね。

家を建てる時期の平均は?

家を建てる時期の平均は?

家を建てる時期に悩んでいる方の中には「他の人は、どのくらいで家を建てているのか気になる」という方も多いでしょう。

ここでは国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査報告書」から、家を建てる平均的な時期の参考データを紹介します。

平均年齢

全国調査によると、新築注文住宅を建てる平均的な年齢は40.9歳です。

分譲戸建て住宅を購入する平均年齢は38.4歳となっていて(三大都市圏調査*)、注文住宅よりも分譲住宅のほうが若くして取得する傾向にあります。

(*首都圏、中京圏、近畿圏を指します。以下同様)

注文住宅と分譲住宅の購入費用が関係していると見て取れますね。

また、住宅金融支援機構の行った「2021年度フラット35利用者調査」によると、土地付き注文住宅に必要な平均的な資金は4,455万円に対し、分譲住宅(建売住宅)は3,605万円です。

調査結果からも、800万円ほどの差があることがわかります。

注文住宅のほうが資金を貯める必要があるため貯金の期間が長くなり、取得する平均年齢が高くなるのでしょう。

参考:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」2.3 世帯に関する事項

参考:住宅金融支援機構の行った「2021年度フラット35利用者調査」

平均世帯年収

家を建てる人の平均世帯年収は、注文住宅は全国で平均779万円、三大都市圏では平均909万円となっています。

三大都市圏で分譲戸建て住宅を購入した人の平均世帯年収は、719万円です。

取得時の平均世帯年収が、注文住宅と分譲住宅とでは異なります。

参考:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」2.3 世帯に関する事項

家を建てる時期はどう決める? 基準となる3つのポイント

家を建てる時期はどう決める? 基準となる3つのポイント

家を建てる平均的な年齢・世帯年収の傾向はあるものの、ライフイベントや資金などによって最適な時期は異なるものです。

ここからは、家を建てる時期を決める基準となる、3つのポイントを紹介します。

【ポイント1】ライフイベントで考える

1つめのポイントは、人生の転機となるライフイベントです。大きなライフイベントに合わせて家を建てることで、その後の暮らしが安定するでしょう。

結婚

新たな家族ができる結婚という大きなライフイベントは、家を建てるきっかけになります。

人生のパートナーと長い時間を一緒に過ごす家を建てることは、大変な喜びとなるでしょう。

結婚後は、家事と仕事の両立で忙しかったり、早いタイミングで妊娠・出産が訪れたりする可能性もあり、家についてゆっくりと考える時間がない場合もあります。

結婚前から理想のマイホームについて話し合い、結婚を機に家を建てたほうが、じっくりと間取りや内装などを検討できるでしょう。

ただし、「子ども用の部屋が足りなくなった」「テレワークになり仕事用の部屋が必要になった」といった状況になる可能性もあるため、将来のライフプランを充分に検討してから、間取りを決める必要があります。

また、早いうちから住宅ローンを組むと、早く完済できる点もメリットです。

仮に30年で住宅ローンを組んだとしましょう。30歳で家を建てれば60歳で完済できますが、40歳で家を建てれば、完済は70歳となります。

出産

新しい命の誕生に合わせて、家を建てる方も珍しくありません。

出産後に家を建てれば、保育園や幼稚園、学校に近い場所など、これからの子どもの成長に最適な場所を選んで家を建てられます。

ほかにも、公園や病院、スーパーなどが近くにあると便利ですよね。

また、上り下りしやすい階段や足音が響きにくい床材など、子どもの育てやすさを意識した家づくりができます。

しかし、妊娠中や出産直後は、女性にとって身体の負担が大きい時期です。

生まれたばかりの子どもの世話も、大変でしょう。

そのような時期に新居への引越し作業があると、女性には大きな負担になります。

夫や自分の両親、夫の両親が徹底的にサポートしたり、出産後数カ月経ってから引っ越ししたりするなど、タイミングを工夫しましょう。

子どもの進学

子どもの進学も、家を建てる時期として適しています。

特に多いのが、子どもが小学校へ進学するタイミングです。

小学校の近くに家を建てれば、子どもの通学負担を減らせます。

また、小学生になる頃の子どもは、自分の部屋をほしがる時期です。

そのため、子どもの要望を取り入れて、部屋を作ってあげられます。

ただし、子どもの通う学校の校区に希望の土地があるかを調べ、難しいようであれば早めに動く必要があります。

学区内に希望の土地がなければ学区外に家を建てることになり、子どもが転校しなければなりません。

子どもの小学校進学前には、引っ越しが済むようにしましょう。

【ポイント2】住宅ローンの返済から考える

【ポイント2】住宅ローンの返済から考える

2つめのポイントは、住宅ローンの返済から家を建てる時期を考える方法です。

住宅ローンを利用する予定の方は、返済計画も検討して、家を建てる時期を決めましょう。

頭金が貯まったタイミング

住宅ローンの頭金が貯まったタイミングに合わせて、家を建てる方も多くいます。

一般的に、住宅ローンの頭金は、住宅購入金額の2割程度の金額が必要といわれています。

民間金融機関では、頭金がなくても住宅ローンを借入可能なケースもありますが、ある程度の頭金があれば、借入金額を減らせるため、毎月の返済の負担も軽くできます。

以上のことから、2割以上の頭金を用意する方も少なくありません。

生活のゆとりを考えながら返済計画を立て、頭金がどれだけ必要か検討しましょう。

そして、頭金が貯まったタイミングで家を建てることで、計画的に返済していけます。

返済が終わる年齢が定年退職前になるタイミング

住宅ローンを完済する年齢から逆算して、家を建てる時期を決める方法もあります。

定年退職後だと、毎月決まった収入を得ることが難しくなるため、定年退職前に完済できるよう逆算するとよいですね。

たとえば、65歳で定年退職する予定で借入期間を30年間にしたい方は、家を建てるのは35歳となります。

また、20年間でローンを組む方は、45歳が家を建てる時期の目安です。

【ポイント3】世の中の流れで考える

【ポイント3】世の中の流れで考える

3つめのポイントは、世の中の流れです。

注目したほうがよい要素は、主に以下の3つとなります。

地価

家を建てるに伴い、新たに土地も購入する方は、地価の変動に注目しましょう。

地価は常に一定ではなく、需要と供給のバランスで金額が上下します。

また、全国的に地価が上昇していても、地域によって上昇率が異なることもあります。

「今は地価が高騰しているから、土地を購入できない」と思っていても、自分が希望しているエリアでは地価が下落している場合もあるため、地域別の上昇率を確認するとよいでしょう。

住宅ローン金利

住宅ローンを利用する方は、住宅ローン金利の変動を確認しましょう。

変動金利は10年以上にわたって低い水準で推移しています。しかし、これからどう変動するかは予測できません。

また、固定金利はここ10年間ほどの変動が激しいため、今後も注目が必要です。

優遇制度

家を建てるにあたり、国や地方自治体による、さまざまな優遇制度があります。

優遇制度が適用されるタイミングなら、お得に家を建てることも可能です。

住宅ローン減税制度だけではなく、「こどもエコすまい支援事業」や「ZEH支援事業」など、一定の条件を満たすと利用できる補助金や助成金の制度もあります。

また、子育て世帯や移住者に対する独自の支援を定めている地方自治体もあるので、情報をチェックしましょう。

こどもエコすまい支援事業

ZEH支援事業

家を建てる時期に適しているのは何月? 4つのポイントを押さえよう

家を建てる時期に適しているのは何月? 4つのポイントを押さえよう

家を建てる時期でもう1つ意識したいポイントが、1年のうちのいつ建てるかについてです。

基本的には1年を通して家を建てられますが、着工を春先の3月あたり、または9~10月の秋ごろにすると、家づくりが最適にできます

なぜその時期がおすすめなのか、理由を解説します。

【ポイント1】着工から竣工までは約4~6カ月間

通常、家を建てる際には着工(工事にとりかかること)から竣工(工事が完了すること)まで約4~6カ月かかります

家が建つまでに最長で6カ月ほどかかることは、本項以降の説明にも関わるので、この機会に覚えておきましょう。

【ポイント2】日照時間が短い時期は職人が働ける時間が短くなる

工事の内容次第では、日の当たる時間帯のほうが職人が働きやすい場合もあります。

日照時間が短い時期は、職人が働ける時間が短くなり、工事が長引くこともあるでしょう。

冬至(12月21日か22日)が1年の中で最も日照時間が短い日であることから、12月や1月は職人が働きにくくなる可能性があります。

そのため、外での工事が多い時期が、12月や1月に重ならないように調整するとよいでしょう。

よって、春先や秋口の着工がおすすめです。

【ポイント3】雨だと着工が延期になる場合もある

梅雨の時期の着工だと、雨の止まない日も多くあり、そのままズルズルと着工自体が遅くなる可能性も考慮しなければなりません。

家を建てるにあたり、まずは家の骨組みを造りますが、骨組みを造る際に雨が降っていると足場が悪く、作業員にとっても危険ですよね。

そのため、梅雨の時期以外の着工がおすすめです。

【ポイント4】台風や大雪などにより工事が進まない場合もある

台風や大雪が心配な時期も、工事が進まない可能性があります。

台風や大雪だと屋外の仕事が思うように進まなかったり、物流がストップしてしまったりしますよね。

その結果、工事が長引き、竣工が遅れることがあります。

台風が多い夏から初秋の時期と、大雪の可能性がある冬の時期を除くと、必然的に春先もしくは9~10月頃の秋の着工となるでしょう。

家を建てる時期はハウスメーカーに相談しよう

家を建てる時期はハウスメーカーに相談しよう

家を建てる時期は、ライフプランや住宅ローンの返済計画、世の中の流れによって最適なタイミングが異なります。

また、1年のうちでも、工事の進み具合などによって、着工におすすめの月が変化します。

住宅のプロであるハウスメーカーに相談することで、家を建てる最適なタイミングがわかりますよ。

まずは住宅展示場に行ってみて、相談してみませんか?

複数メーカーに同日に相談できて、便利です。