戸建ての地震保険の費用相場は?補償内容も知って賢く選択しよう!

2023年5月11日

戸建ての購入を決めたら、次に考えたいのが地震保険です。
地震保険は、建物の「万が一」に備えるためにも必要不可欠の保険ですが、現在は種類が多く、どれを選んだらいいのかわかりにくいのが現状です。
地震保険ごとに費用も異なるため、家計と照らし合わせながら慎重に決めなければなりません。
ここでは、戸建ての地震保険の費用相場や補償内容について、詳しく紹介します。

地震保険の概要

地震保険の概要

地震保険は、住宅の万が一に備えた保険であり、さまざまな補償が設けられています。
似ている保険として「火災保険」がありますが、火災保険は単体で加入できるのに対し、地震保険は単体での加入ができません
基本的には、地震保険と火災保険はセットでの加入が必要です。

地震保険とは?

地震保険とは?

地震保険は、地震による火災や損壊、噴火による埋没や津波による流失など、さまざまな自然災害によって建物が影響を受けたときに備えた保険を指します。
日本は自然災害が多い国でもあることから、戸建ての購入では地震保険に加入しておくと安心でしょう。

ちなみに、火災保険についてはこちらの記事でも紹介しています。

戸建ての地震保険の保険料の相場は?

戸建ての地震保険の保険料の相場は?

戸建ての地震保険に加入するにあたり、気になるのが費用相場ではないでしょうか。
会社によって費用が異なるうえに、家計と照らし合わせて無理のない価格帯の保険を選ばなければならないので、相場はきちんと把握しておきたいところです。
戸建ての地震保険の保険料の相場について見ていきましょう。

明確な保険料の相場はない

結論からいうと、地震保険の保険料に明確な相場はありません
保険会社によって料金設定が異なるだけでなく、建物のタイプや所在地、補償内容、オプションの有無などによって金額の差があります。
地震保険の内容をしっかりと確認し、保険料や補償内容などと照らし合わせながら加入を検討しなければなりません。

保険料の例は7,000円台~4万円台と幅広い

保険料に明確な相場はなく、具体的な費用を見てみると7,000円~4万円台と幅広いことがわかります。
(※保険金額1,000万円あたり、保険期間1年、割引適用なしの場合)
さらに、都道府県ごとにも保険料には差があるため、相場がいくらであるのか、一概にはいえないのが現状です。

そのため、保険料と補償内容の充実度が必ずしも比例しているわけではありません。
後に詳しく触れますが、建物の所在地や構造などによって保険料は変動します。

なお、地震保険は火災保険とセットで加入するものの、保険料は単体で計算するので注意してください。

地震保険の金額はどう決まるのか

地震保険の金額はどう決まるのか

地震保険の保険料には明確な相場がなく、費用に差があるのが現状です。
そのため、「どのようにして地震保険の金額が決まるの?」といった疑問を感じる方もいるかもしれません。
ここからは、地震保険の金額がどのように設定されるのか詳しく紹介します。

建物の所在地

地震保険の金額に影響する部分として、まず挙げられるのが「建物の所在地」です。
日本は、災害のリスクが地域によって異なります。当然、災害が発生するリスクが高い地域のほうが保険料も高くなりやすく、災害の発生リスクが低い地域のほうが保険料も安価になる傾向にあります。
一般的に、日本においてリスクが高い(保険料が高くなりやすい)といわれている地域は、茨城県や千葉県、静岡県などの太平洋側のエリアが中心です。

補償内容

地震保険に加入するうえで気になる「補償内容」は、実はどこの地震保険会社も内容に違いはありません。
災害によって建物が損害を受けたり、建物の中にある家財道具が壊れてしまったりした場合に、地震保険の保険金を受け取れます。
地震保険の主な補償内容は、以下の通りです。

【地震保険の主な補償内容】
・地震によって火災が発生して建物が損壊した
・地震によって家が倒壊してしまった
・地震による津波によって家が流されてしまった(損壊してしまった)
・地震で建物の中にあった家具や家電が倒れて壊れてしまった
・地震による液状化現象により建物が傾いた(ただし液状化の程度による)

自然災害によって建物や家財道具が損害を受けた場合には、上記以外のケースでも補償されるものがあります。
補償範囲は意外に広いので、加入する前に、どのような事象で保険金を受け取れるのか確認しておくとよいでしょう。

建物の構造

地震保険の金額が決まるポイントのひとつが「建物の構造」です。
地震保険における建物の構造は、大きく「イ構造」と「ロ構造」に分けられます。

「イ構造」とは鉄骨鉄筋やコンクリート造で、耐火建築物や準耐火建築物に該当する建物のことです。

「ロ構造」は、木造住宅を指します。災害による建物の損害リスクは「イ構造」のほうが低いため、保険料もロ構造よりも安く設定されていることが多い傾向にあります。
戸建ての場合は、木造住宅であることが多く「ロ構造」に該当することがほとんどです。

長期係数

地震保険料は、長期係数に基づいて算出される一面もあります。
地震保険の契約期間は最長でも5年であり、2年以上で契約すると、長期係数が適用されます。
保険期間と長期係数の関係については以下の通りです。

【保険期間/長期係数】
・5年/4.70
・4年/3.75
・3年/2.85
・2年/1.90

保険期間が長くなるにつれて、長期係数が高くなり、その分若干割引が適用されるということになります。
なるべく保険料を抑えたい、長期的に契約し続ける予定といった場合には、契約期間を2年以上で検討することがおすすめです。

割引制度を利用できるケースも

地震保険には割引制度があるため、条件を満たせば利用できる可能性があります。
地震保険における割引制度の条件の一例を見てみましょう。

【地震保険の割引制度の条件例】
・免震建築物であること
・耐震診断や耐震改修で現在の耐震基準を満たしていること
・建物が1981年6月1日以降に建てたものであること

割引率は条件によって異なるものの、最大で50%もの割引を受けられるケースもあります。
ただし、地震保険の割引を受けるためには、現在の建物の情報がわかる評価書や証明書など各種必要書類の準備が必要です。

地震保険料を安く抑えるには?

地震保険料を安く抑えるには?

家計が気になる方にとって、地震保険料の負担は少しでも軽減したいところですよね。
とはいえ、地震保険料は決して安価なものではありませんので、少しでも保険料を安く抑える方法を知っておく必要があります。
ここからは、地震保険料を安く抑えるためのポイントを紹介します。

地震保険料控除を受ける

地震保険料を安く抑える方法として、挙げられるのが地震保険料控除です。
地震保険の契約期間が長期であり、一括で保険料を支払っている方であれば、以下の計算式で算出した金額を控除の対象にできます。

【地震保険控除の計算式】
・保険料総額÷保険期間=1年分の控除対象


また、地震保険料控除の控除額は、年間の支払い保険料が5万円までであれば、所得税から保険料全額、住民税から保険料の半額が控除を受けられます。
年間の支払い保険料が5万円を超える場合は、所得税から一律5万円、住民税から一律2万5,000円の控除を受けられる場合があります。
※復興特別所得税は考慮しない場合
※お住まいの自治体によって最高限度額が設置されるなど異なる場合があります

長期契約を前提として検討している場合は、地震保険料の控除を受けられる可能性があるため、忘れないようにしましょう。

長期契約する

地震保険料を少しでも安く抑えたいのであれば、長期契約がおすすめです。
地震保険料は長期係数に基づいて算出されます。短期で契約するよりも、長期で契約をして一括で支払いを済ませるほうが総額としては安価に済ませやすくなるのです。
可能であれば5年で契約更新をしていくような計画を検討しておくとよいでしょう。

割引制度を利用する

地震保険料を安く抑えるためにも忘れてはならないのが、割引制度です。最大で50%の割引を受けられるため、家計に不安がある方は、ぜひチェックしてみてください。
しかし、必ずしもすべてのケースで割引制度が受けられるわけではありません。建物の構造や建てた時期などによっては、受けられる割引がないことも考えられます。
地震保険に加入したい建物のことをきちんと調べ、受けられる割引がないかを探してみましょう。

地震保険の選び方

地震保険の選び方

現在、地震保険はさまざまな保険会社によって展開されていることから、「どれを選んだらいいか、わからない……」と悩んでしまうことが少なくありません。
ひとくちに地震保険といっても、保険商品によって特色が異なるため、比較しながら慎重に選ぶことが重要です。
具体的にどのように選んだらいいのか、以下から解説していきます。

火災保険の保険料で選ぶ

地震保険を選ぶ際には、セットで加入する「火災保険」の保険料を基準に選ぶ方法があります。

地震保険は、どこの保険会社を選んでも保険料に差はありません。しかし、火災保険は、保険会社によって金額に違いがあります。
そのため、なるべく安く済ませたい方は、火災保険の保険料を複数の保険会社で比較したうえで検討するとよいでしょう。

また、保険料は定期的に支払う場合も、一括で保険料を支払う場合も、家計に影響を与える支出です。
生活するうえで無理のない範囲で保険に加入するためには、保険料を重視しなければなりません。

さまざまなプランなどを比較しながら、負担のない範囲で支払える保険料の火災保険を探してみてはいかがでしょうか。

保険期間で選ぶ

地震保険を選ぶにあたり、ひとつの目安となるのが「保険期間」です。
保険期間は2年以上の長期契約することによって、長期係数の割引を受けられます。
そのうえ、万が一保険料が途中で値上がりしても、すでに一括で支払ってあれば、値上がり分を追加で支払う必要もありません。
お得に地震保険に加入できるため、保険期間を重視して選ぶことをおすすめします。

とはいえ、保険期間を長期で契約し、一括で支払うとなると、1回の支出が大きくなり一時的に家計の負担が増えてしまいます。
無理に保険期間を長くするとかえって生活費にしわ寄せが生じてしまうこともあるため、家計の事情に合わせて検討してみてください。

特約で選ぶ

地震保険は、提供している保険会社によって魅力的な特約を展開していることもあります。地震保険とセットにすることで、お得に不安を解消できることから、加入検討者の中には特約も視野に入れて考えている方も少なくありません。

たとえば、通常の地震保険の場合は補償額が損害額の50%までのケースであっても、特約を付けていれば最大100%まで補償してもらえたり、弁護士相談費用の補償、日常生活における補償など、さまざまな特約があります。

「こんな損害も補償してもらえたら安心」「万が一に備えてもう少しカバーしてほしい」などの不安がある方は、希望の特約がある地震保険を探してみてはいかがでしょうか。

地震保険の相場を知って賢く選ぼう!

地震保険の相場を知って賢く選ぼう!

戸建てに安心して住むためにも、地震保険への加入は必須といっても過言ではありません。
地震保険について正しい理解を深め、保険会社についてもきちんと調べて、納得できる保険に加入することが大切です。
特に、費用相場に関する部分は、損をしないためにも情報収集が必須だといえます。補償される金額や割引を受けられる条件など、きちんと理解したうえで地震保険を選んでくださいね。

戸建ての地震保険に関する相談は住宅展示場でも受け付けています
保険料のこと、補償のことなど、気になることはぜひお近くの展示場で相談してみませんか。