お掃除のスペシャリストに聞く!「汚れを溜めない」カンタン水周り掃除テク

2022年1月7日

「お掃除にはコツがあるんです」。そう語ってくれたのは、Instagramで紹介するテクニックが話題のお掃除スペシャリスト・Ayakaさん。もともと、家事全般に苦手意識があったという彼女が実践しているのは「毎日の掃除が苦にならないテクニック」。家事が苦手だったからこそ分かる、お掃除が続けたくなる時短テクを伝授します。

Ayakaさんプロフィール

お掃除スペシャリストや整理収納アドバイザーとして活動中。都内の二世帯注文住宅で暮らす、二児の母でもある。自身も実践している時短家事テクをまとめた著書『時間もお金もかけない! ほったら家事』(宝島社)も出版。忙しく働くママでも自宅をキレイに保つテクニックを、お掃除スペシャリストならではの視点で発信している。Instagram

掃除は「汚れを溜めない」ことが一番のコツ

毎日の掃除を欠かさないというAyakaさん。ですが、もともとは掃除どころか家事全般が「できなかった」のだそうです。

「子供が生まれるまでは、フルタイムで働いていて。気づいたら冷蔵庫の横にホコリが溜まっているのも、シンクが水垢だらけなのも、見ないフリをしている自分がいました。

掃除に興味を持ったのは、数年前から流行し始めた『オキシクリーン』という洗剤を知ったことがキッカケ。なんでもキレイになるという魔法の洗剤の存在を知ったときに、これなら自分でも掃除が上手にできるかも…。と、ハードルが下がりました」

その後、出産を経験して、今は2児の母でもあるAyakaさん。フルタイムでお仕事をしていたときとはまた違う、忙しい毎日。それでも、自宅をキレイに保ち続けています。

「産休中に洗剤に頼らない方法に興味を持って、本格的に掃除の勉強を始めました。フルタイムで働いているときよりは時間に余裕ができたので、初めて掃除をきちんとやってみよう、と思えたことも大きかったかもしれません」

Ayakaさんによれば、掃除の一番のコツは「毎日1分でもすること」なんだとか。汚れを溜めすぎないうちに予防することが、おうちをキレイにし続けていられる大きな理由。

「ぬめった排水溝、嫌な臭いの水周り…溜まった汚れは、不快感を与えます。こういうものって見たくないじゃないですか。だから、掃除がしたくなくなる。でも毎日していると、軽い拭き掃除ベースでも、汚れが溜まりづらくなります。キレイを保つことで、不快なものじゃなくなったんです」

AyakaさんのInstagramを覗いてみると、掃除の時短テクニックや、忘れがちなポイントが多く投稿されています。一つひとつは細かい気配りに見えますが、Ayakaさんは毎日1箇所を数分で完了させることができるのだそう。

「汚れを溜めない」水周り掃除テクニック

「1箇所数分」の時短お掃除テクで、家と暮らしがより良く生まれ変わっていくなら、なんだかお掃除のハードルも下がりそう。
今回はイヤな汚れが溜まりやすい水周りのお掃除ルーティンをスペシャリストに教えてもらいましょう。

シンク周りは毎日のルーティンで汚れをリセット

まずは、家事をする女性が毎日立つキッチンから。いる時間が長い場所だからこそ、汚れが溜まっていると気も滅入ります。でも、Ayakaさんのキッチンシンクはこんなにピカピカ!どうやってキレイを保っているのでしょうか?

まずは、一番イヤ〜な匂いの気になる排水溝。Ayakaさんが取り出したのは2つの粉です。

「排水溝は重曹と水で溶かしたクエン酸でぬめりを取ります。この2つがあれば、お風呂の排水溝も便器も、ぬめりが気になる場所は全部キレイになりますよ。物が多いと汚れも溜まりやすくなりますが、洗剤が減るとシンク下もすっきりします」

重曹をかけた後、水で溶かしたクエン酸をかけると、発泡の力でぬめりが取れます。手荒れなどが気になりづらいのも嬉しいポイント。

発泡が終わるのを待たずに、Ayakaさんの手はシンク内へ。

「排水溝もシンクも、一日の終わりに掃除をします。シンクは夜寝る前に食器用洗剤とスポンジで丸洗いして、油分を吸収するマイクロファイバーふきんで乾拭きしています。シンクのそばにある食器用水切り類も、シンクの乾拭きでよけたついでに干しちゃいます」

一日の最後に乾拭きすることで、シンクに水垢が溜まりづらくなります。一度着いたら取りづらい水垢は、最初からつかないようにしちゃうのがベストなのだそう。

汚れやすいキッチン周りは「〇〇保護」で掃除をおサボり

拭き掃除はもちろんシンクだけでなく、野菜を切る場所やガス周りも。

「コンロ周りは特に油が飛びやすいので、毎日の拭き掃除がとっても大切。特にパッキン加工がされているコーナーは、油汚れが溜まりやすくなってしまいます。パッキンはマスキングテープで保護しておくと、汚れが気になったときに貼り替えるだけなので楽チンです」

この「マステ保護」テクは、キッチン周りだけでなくお風呂のドアなどにも使えるテクニック!掃除をするよりも、貼ってはがすだけの作業の方が気が楽ですね。

「貼って剥がすテクはマステに限りませんよ。冷蔵庫の上や換気扇の上など、目線より高い部分はお掃除を忘れやすいポイント。そういう場所にはラップを貼っておくと、これもはがすだけで汚れを除去できるので時短になります」

スペシャリストならではのシャープな視点で、面倒な場所は「掃除しないで済む方法」を取り入れていくのがAyakaさんの流儀なのだそう。

洗面所は拭き掃除がはかどる「浮かせる収納」

洗面所も汚れが溜まりやすい場所なので、日々の使い方から工夫をしているそう。

「水場は『浮かせる収納』が衛生的にもベストです。物があると拭き掃除も億劫になりがちなので、洗面所周りは物を置かないようにして、毎日拭き掃除をしておくだけ。

コツは最初に乾拭きからすること。ホコリがあると、水拭きしたときに余計汚く見えてしまうこともあるので、まずは乾拭き。その後は、手洗い用の石鹸で水拭きすればOKです」

ホコリが溜まりそうな場所はすべて、乾拭きしてから洗剤を使っての水拭きがベスト。トイレの手洗い場や床など、幅広い場所で利用できるテクニックですね。

お風呂場は「浮かせる収納」に加えて「汚れの見える化」

毎日汚れを流しているお風呂場。浮く収納はもちろん、もうひとつポイントがあるそう。

「お風呂場もシンクと同じぬめり対策、拭き掃除の時短のために浮かせる収納を採用しています。
それと、排水溝は絶対に汚れがたまる場所なので、ふたはあえて閉めず汚れを見える化。こうすることで、髪の毛が溜まったときや水が流れづらいときなど、私以外の家族も汚れに気がつけるようにしています」

汚れが見える化されていると、家事を担当しがちな人以外も、家の汚れに関心を持ちやすくなるそう。家族全員で掃除に参加するキッカケになりそうです。

「お風呂はぬめりだけでなく水垢も溜まりやすいので、湿度を取ることが大切。毎日、お風呂の最後は冷水をかけて、スクイージーで壁の水を除去します。その後しっかり換気しておけば、汚れがつきづらくなります」

気づけば曇りがちな鏡も、毎日スクイージーをかけておけばピカピカに!シンク同様、水場は使ったら乾かすことが、キレイに保つ近道につながるそう。

掃除を「特別視」しないことが大切

Ayakaさんの毎日のお掃除は、ほとんど拭き掃除がベース。便利なお掃除グッズや、特別な洗剤はあえて使わないようにしているそう。

「100均などで買える便利系グッズは、掃除を勉強してからはむしろ買わなくなりました。毎日するようになると、基本グッズと拭き掃除でほとんどの汚れがなくなります。

私は洗剤もクエン酸・重曹・ウタマロせっけんでほとんど完結しています。そうすると物が減るし、掃除に迷いがなくなるので精神的にも楽なんです」

 

毎日「キレイ」に水周りがリセットされる家は、何年経ってもキレイな状態を保てます。ゴミが溜まらない家は傷みも少なくなり、結果的に維持費も安く済むようになるのだそう。

おうちのために、家族のために、そして自分のために。毎日の「リセット」を、あなたも始めてみませんか?

 

 

Photo_Koji Kanatani Interview & Text_Shiori Mikuni Edit_Yasushi Shinohara