
2026年度(令和8年度)税制改正の大綱において、2026年以降も住宅ローン控除が5年間延長されることが決まりました。今回の改正では、省エネ基準適合住宅の借入限度額が見直され、2028年以降は対象外となるなど、いくつかの変更点があります。
一方で、金利の上昇が続く中、「今、住宅を買うべきか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、住宅ローン控除の最新情報や、実際にどれくらいの減税が受けられるのかを解説します。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを購入した人が受けられる税制優遇制度です。住宅の取得を支援し、その促進を図ることが目的です。
住宅ローン控除は、マイホームを購入する際に一定の要件を満たすと、年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税や住民税から控除される制度です。
控除額は原則として、「年末時点の住宅ローン残高×0.7%」で計算されます。
所得税から控除しきれない場合は、一定額まで住民税からも控除されます。例えば、年末時点のローン残高が3,000万円であれば、控除額はその0.7%にあたる21万円です。
ただし、控除額には借入限度額が設定されており、省エネ性能が高い住宅ほど上限が高く設定されています。また、控除を受けられる期間は13年間ですが、毎年ローン残高は減るため、控除額も年々少なくなります。
住宅ローン控除では、子育て世帯と若者夫婦世帯に対して、借入限度額が優遇されます。子育て世帯とは、19歳未満の子どもを扶養している世帯のことです。19歳未満という年齢は、入居年の12月31日時点で判定されます。
例えば、2026年に入居する場合、2026年12月31日時点で子どもが18歳以下であれば、子育て世帯として認められます。
一方、若者夫婦世帯とは、夫婦のいずれかが40歳未満の世帯のことです。こちらも入居年の12月31日時点での年齢で判定されます。
住宅ローン控除を受けるには、入居した年の翌年に確定申告を行う必要があります。確定申告の期限は原則、毎年2月16日~3月15日と決められていますが、初年度の確定申告を忘れた場合は、法定期限から5年以内であれば申請できます。
2年目以降は、会社員であれば年末調整で手続きが可能です。ただし、年末調整で控除を受けるには、初年度に確定申告を済ませていることが前提となります。自営業の方は毎年確定申告が必要です。

住宅ローン控除の適用期限は2025年12月31日でしたが、今回の改正で適用期限が5年間延長されました(令和8年1月1日~令和12年12月31日に入居した場合に適用可能)。2026年以降もマイホームを購入して要件を満たした方は、税制優遇を受けられます。制度の内容は一部変更されているので、2025年までとの違いを具体的に見ていきましょう。
2026年からの住宅ローン控除では、主に3つの大きな変更点があります。
●省エネ性能による格差の拡大
●床面積要件の緩和
●質の高い中古住宅(既存住宅)の借入限度額・控除期間の拡充
2024年以降に建築確認を受けた新築住宅で、省エネ基準を満たさない住宅は住宅ローン控除の対象外となっています。これは、国が省エネ住宅の普及を強力に推進したためです。2026年に入居の新築住宅を購入する場合も、最低、省エネ基準適合住宅であることが必須条件です。
省エネ基準適合住宅の借入限度額は、2024年・2025年入居の場合に比べて引き下げられ、2026年・2027年入居は2,000万円(子育て世帯や若者夫婦世帯は3,000万円)となっています。
また、2028年以降はこの枠が対象外となり、将来的には長期優良住宅や低炭素住宅やZEH水準省エネ住宅など、より高い省エネ性能の住宅のみが優遇される方向性が示されています。ただし、2027年末までに建築確認を受けた住宅は適用の対象となり、借入限度額は2,000万円、控除期間は10年です。
また、性能だけでなく「立地」についても制限が加わります。2028年以降に入居する場合、土砂災害などの「災害レッドゾーン」に建てられた新築住宅は、適用対象外となる方針です(建替え・既存住宅・リフォームは適用対象)。
一方で、床面積要件については40平方メートル以上へと緩和する措置が継続され、新築だけでなく中古住宅にも適用されます(所得金額が1,000万円超の場合や、子育て世帯などへの上乗せ措置利用者は50平方メートル以上のまま)。
また、中古住宅も省エネ性能が高い住宅については、今回の改正で控除期間が10年から13年に延長され、借入限度額も引き上げられました。
2026年に入居する新築住宅の場合、住宅の省エネ性能によって借入限度額が異なります。
| 借入限度額【2026~2030年】 | 控除期間 | |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円(5,000万円) | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 【2026年~2027年】 2,000万円(3,000万円) 【2028年~2030年】 対象外 ※2027年末までに建築確認を受けたものなどは2,000万円 |
【2026年~2027年】 13年 【2028年~2030年】 対象外 ※2027年末までに建築確認を 受けたものなどは10年 |
| その他住宅 | 対象外 | 対象外 |
※( )内は子育て世帯・若者夫婦世帯の金額です。
例えば、長期優良住宅・低炭素住宅の場合、借入限度額は4,500万円なので、13年間で最大409.5万円の控除を受けられます。子育て世帯や若者夫婦世帯は借入限度額が5,000万円であるため、13年間の最大控除額は455万円です。
省エネ基準を満たさないものは住宅ローン控除の対象外となるため、新築を検討している方は、省エネ基準適合住宅以上の性能を確保する必要があります。
中古住宅の場合、省エネ基準を満たしていなくても住宅ローン控除の対象となります。ただし、省エネ性能が認められた中古住宅と認められなかった中古住宅では、控除額に大きな差があります。
| 借入限度額【2026~2030年】 | 控除期間 | |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(3,000万円) | 13年 |
| その他住宅 | 2,000万円 | 10年 |
※( )内は子育て世帯・若者夫婦世帯の金額です。
今回の税制改正で、新築住宅と中古住宅の格差が縮まりました。長期優良住宅・低炭素住宅やZEH水準省エネ住宅など、省エネ性能が高い中古住宅の借り入れ限度額は、3,500万円(子育て世帯・若者世帯は4,500万円)に引き上げられています。
また、省エネ性能が高い住宅は、控除期間が10年から新築住宅と同じ13年になりました。

住宅ローン金利が上昇傾向にある中、住宅購入のタイミングに悩む方も多いでしょう。金利動向と購入タイミングの考え方についての判断材料をお伝えします。
2024年から2025年にかけて、日本銀行が金融政策の転換を進めたことで、住宅ローン金利は上昇傾向です。
長らく続いた超低金利時代が終わり、銀行によって差はありますが変動金利は徐々に上昇し始めています。長期固定の代表格である「フラット35(返済期間21年以上)」の2026年1月現在の最も多い金利(融資率9割以下)は2.08%まで上昇しています。
例えば、3,000万円の借入で35年返済、元利均等返済の場合のシミュレーションは以下のとおりです。
●金利0.5%
○月々の返済額:約7.8万円
○総返済額:約3,270万円
●金利1.0%
○月々の返済額 約8.5万円
○総返済額 約3,560万円
差額は月々7,000円、総額約290万円の差が生じます。
今後の金利は国内外の経済情勢に左右されるため、正確な予測は困難です。しかし、「過去のような超低金利に戻る可能性は低い」というのが多くの専門家の一致した見解です。
金利上昇は住宅ローンの総返済額が増えるため、確かに負担を増やします。しかし、だからといって待つべきかというと、必ずしもそうとは限りません。
まず考えるべきは、住宅価格の動向です。近年、建築資材の高騰や人件費の上昇などにより、住宅価格は上昇傾向にあります。金利の動向を見ている間に住宅価格がさらに上昇すれば、結果的に総支払額は増える可能性があります。賃貸に住み続けるコストも考慮すべきです。
住宅購入を1年遅らせれば、その1年分の家賃を支払うことになります。金利だけでなく、住宅価格や賃貸コスト、税制優遇などを総合的に判断することが重要です。
住宅購入の最適なタイミングは、金利や税制だけでなく、ライフステージや家計状況によっても大きく異なります。
まず優先すべきは、子どもの進学といった家族のライフステージです。金利のわずかな変動を待つよりも、理想の環境を早く手に入れるメリットの方が大きいケースは多々あります。
次に、資金計画の準備状況です。頭金として物件価格の2割程度を用意するのが理想的といわれますが、頭金を貯めるために何年も家賃を払い続ける方がもったいないという考え方もあります。ただし、貯金をゼロにせず、手元に現金を残しながら賢くローンを活用することが大切です。
住宅展示場の各ハウスメーカーでは、最新の金利動向と家庭のライフプランを掛け合わせた個別シミュレーションが可能です。また、住宅展示場で開催されるファイナンシャルプランナーによる相談会なども利用して、有利にローンを組めるか相談してみてはいかがでしょうか。

2026年以降の住宅ローン控除は、住宅性能による減税額の格差がより明確になりました。新築住宅では、省エネ性能の高さが減税額の差に直結し、引き続き子育て世帯や若者夫婦世帯への手厚い優遇が維持されています。
一方で、金利は上昇局面に入っており、減税のメリットや総支払額を見極めることが、これまで以上に重要です。
住宅ローン控除や金利の影響は、年収や家族構成、住宅性能、借入額によって大きく異なるため、住宅展示場でプロに直接相談するのがおすすめです。モデルハウスを見学しながら、金利上昇を踏まえた資金計画や、無理のない購入タイミングなどを確認してみてはいかがでしょうか。
住まい探しの情報収集や知識を身に付けたら、
まずは、ご希望条件に合ったモデルハウス探しや、お近くの展示場を探してみましょう。
住まいのサポーターズ
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