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住まいのコラム 住宅メーカーによる家づくり講座(vol.5)災害に強い家を建てるには? 公開日:2023年8月18日(金)
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株式会社一条工務店 茂原東展示場 営業課 岩澤聖弥様

どこにいても地震や水害に見舞われやすい国、日本。いつ発生するかわからない災害に備えるためには、家づくりの時点から対策を考える必要があります。

今回は地震・火災・水害の3大災害への防災に力を入れる一条工務店の岩澤様に、災害に強い家を建てるための取り組みについてお話をお伺いしました。

どんなことがあっても安心できる家を提供する

– – – -住宅性能を上げる重要性をどのような点で考えていますか?

自然災害が多い日本においては、いつどこでどのような災害に見舞われるか、誰も予想できませんし、お客様ご自身で注意しても避けられない事態も少なくありません。そんな、万が一の災害被害に見舞われた時でも、普段と同じ生活を続けていただける住宅を提供したいというのが私たちの考えです。

水害が起きても家に水が浸入してこない家。隣家で火災が起きても燃え移りにくい家。地震が起きても倒壊の心配がない家。インフラが止まっても生活し続けられる家。そうした当たり前の生活を送っていただける家こそが、これからの家づくりに求められていると思います。

– – – -家への信頼感を非常に大切にされている思いが感じられます。

個人的な経験なのですが、東日本大震災で被災した時、余震が続く中で、当時住んでいた家がいつ倒壊するのかわからず、家に残るのか避難所にいくのかという選択を迫られたことがありました。最終的には自分たちの家がどのぐらい地震に耐えられるのかわからず、家族で避難するという選択をしました。

その、自宅の耐久性を信じられなかったという経験から「どんなことがあっても家にいれば安心だ」と思える住宅を建てたいと思うようになりました。
お客様の多くは何らかの形で大地震に被災した経験をお持ちですので、弊社で家を建てていただいた方には「何か災害に遭った時には家の中にいてください」という案内をしたいなと思いながら接客させていただいています。

耐震・耐火のための取り組み

– – – -日本は「地震大国」と呼ばれるほど地震が頻発する国です。どのような耐震への取り組みをしていますか?

弊社は現在「2倍耐震」の住宅を販売しております。国が定める耐震等級は1から3の3段階で定められており、等級1は東日本大震災や阪神淡路大震災規模と同程度の地震に耐えられる耐震性、3は1.5倍の地震に耐えられる耐震性を持つことを表します。

2倍耐震は、等級3を上回る2倍の耐震性を持つ住宅です。耐震等級でいえば4や5に相当するほどの耐震性能があります。また、2倍耐震でない住宅でも、等級1に相当する地震を253回加える実験に合格した工法の住宅だけをお客様にご提供しております。

– – – -家そのものの耐久性に自信アリですね。そのほかに何か取り組みはありますでしょうか?

どれだけ頑丈な家を建てても、地盤がしっかりしていなければ基礎から傾いてしまいます。まずはしっかりとした調査の上で地盤の判定を行うことが大切です。こういった取り組みのおかげで、東日本大震災で液状化現象が起きた地域であっても、弊社が手掛けた住宅は一棟も傾きや沈下といった問題は発生しませんでした。

– – – -地震災害と同時に、火災への対策も注目されています。耐火災への取り組みを教えてください。

防火性能としては、独立行政法人住宅金融支援機構が定める「省令準耐火」というものがあります。これは、火が燃え移りにくい外壁や急速な延焼を防ぐ構造であることを住宅金融支援機構が認めた仕様です。
弊社は原則として、この「省令準耐火構造」の基準を満たした住宅のみを販売しております。

木造住宅は、鉄筋や鉄骨の住宅に比べて火災のリスクはどうしても高くなりますが、極力火災のリスクを軽減できるような燃えにくい外壁素材を採用しています。サイディング材と全面タイル張りをお選びいただけますが、基本的には耐火性能が高いタイル張りをおすすめしています。

また、構造面ではフローリングや内壁にも燃えにくい素材を使用しています。火災時の避難で最も重要なのは、避難する時間です。仮に隣家から火がでたとしても燃え移りにくく、十分に避難できる時間を確保できる家を目指しています。

– – – -お客様側ができる火災対策は何かありますか?

家の中から火事を出さないような選択として、弊社ではオール電化住宅をオススメしております。
直接火を扱わないオール電化住宅は、火災が起きにくく、特に住宅が密集しているエリアでは、オール電化を選択されるお客様が増えています。

昨今は電気代が非常に高騰しておりますが、オール電化とセットで太陽光発電、蓄電池を導入していただくことで、ランニングコストを低く抑えることができます。地震や水害の影響で地域が停電しても通常の生活をおくれますので、広範囲の災害対策としてもオール電化はオススメですね。

耐水害対策を実現する2つの選択肢

– – – -2019年10月には台風15号の影響で茂原住宅公園も浸水の被害に遭いました。その経験を踏まえた取り組みをされていますでしょうか?

当時は展示場全域が水に浸かってしまい、弊社のモデルハウスも浸水被害を受けました。茂原は広く水害地域に指定されているエリアです。

一度浸水してしまうと、掃除をして表面上はキレイになったとしても、内部に深刻なカビ被害が発生するリスクがあります。そのため何よりもまず水を侵入させないことが、水害対策として重要であると考えておりました。

これは偶然なのですが、台風被害の2カ月後に弊社は「耐水害住宅」を発売いたしました。水害被害が心配されるエリアは千葉県だけではありません。水害に対する備えを気に掛けるお客様に少しでも安心していただきたいので、全国で初めてモデルハウスを耐水害住宅に刷新し、お客様へのご案内を開始いたしました。

– – – -耐水害住宅は、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?

弊社の耐水住宅は大きく分けて2つの仕様がございます。ひとつは水が入り込む隙間をなくし、水の浸入を防ぐ構造です。外部の水が浸入しないように気密性の高いパッキンを窓や戸に採用。また汚水が逆流し室内に流れ込まないような弁を排水口に設置しました。これにより、床面から80cm程度までは水の侵入を防ぎます。

もうひとつは、家そのものが水に浮き、水を侵入させない構造です。水位が一定の高さを超えると家には強力な浮力がかかり、木造の軽い家は水に浮いてしまいます。基礎から離れてしまった家が水流に乗ってしまうと、周囲に衝突するといった被害を生むこともあります。そこで弊社は敷地内の四隅に設置したポールと家をダンパーで結びつけ、その場で家を浮かせる仕様を開発しました。

耐水害住宅はいずれか一方の仕様のみを採用できますので、どちらの家にするかは過去の水害被害の状況や敷地の広さ、建築の予算などを鑑み、お客様にご安心いただける内容をご提案しております。

「災害に強い家」を実現するために

– – – -非常に耐災害へ力を入れられていますが、なぜその方針を実現できているのでしょうか。

弊社は基本的にテレビCMの広告を出しておりません。その分のコストを実験や開発に投入し、お客様が安心できる住宅の実現に力を注ぐことができております。

最近はSNSの活用にも力を入れていて、おかげさまで、発信の多いハウスメーカーとして名前を知っていただく機会が増えております。

大変ありがたいことに、こうした姿勢は多くのお客様からもご支持をいただいており、お客様のお知り合いをご紹介いただく機会にも恵まれております。

こうした反響を支えにして、今後も、お客様からの「家は、性能。」の信頼に応えられるよう努めて参ります。

茂原住宅公園 一条工務店へ=> https://www.housing-messe.com/house/20826/

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