近年、高齢者のみならず若い層からも注目されている、平屋。ワンフロアでゆったりと過ごせる平屋の人気に、ハウスメーカーも注視しているようです。
そこで今回は、入社以来22年間住まいづくりに携わってきた、東京セキスイハイム千葉支店の中川様に、平屋を数多く手掛けてきたハウスメーカーならではの視点から、平屋が人気の理由や魅力、賢く建てる秘訣などをうかがいました。
そうですね、若年層からシニア層まで幅広くいらっしゃいます。小さなお子様がいるファミリー世代からのご相談もいただきます。とくに20〜30代の方が増えてきたように感じます。戸建て住宅について情報収集をする際にInstagramに平屋が出てきて興味を覚えた……という方が多いですね。
本当にまちまちですね。年代によっても変わります。お客様に合わせて、外観写真を並べてどういうお住まいがお好みか、おうかがいしながら進めるようにしています。
大きくわけて4つの魅力があると感じています。1つ目は、ワンフロアならではの暮らしやすさです。家族全員の気配が感じられ、必然的にリビングに集まりやすくなります。2階建ての場合、2階まで洗濯物を運んで干さなければいけませんが、平屋の場合は1階で干せるという、生活動線の良さもワンフロアだからこそです。
2つ目は、階段がないため段差での転倒がしにくく、老後も安心という点です。もちろん高齢になってからだけではなく、小さなお子様やペットが階段の上り下りをして目が離せない……といった心配事もなくなります。
3つ目は、災害に強い点です。地震は上層階になるにつれて、揺れが大きくなります。平屋は2階建て以上の住宅と比べて高さがないため、揺れが大きくなりにくいメリットがあります。
また弊社は、屋根下の空間を活用することで、上階に書斎や収納、ロフト、コンファティック(居室)のように活用できる間取りをご用意しています。とくにコンファティックからルーフバルコニーに出られるプランもご用意。飲料水や保存食の備蓄空間のほか、水害時の緊急避難場所としても活用いただけます。
4つ目は、メンテナンスコストを抑えられる点です。通常外壁を塗り替えるなどのメンテナンスの際には足場を組む必要がありますが、平屋の場合は足場がいらないためコストが抑えられます。
鉄骨の場合、開口部が広く取れるのが特長です。大空間や大きな開口部をご希望の方には、鉄骨の平屋をおすすめしています。木造は鉄骨に比べて高気密、高断熱となります。自然素材の木のぬくもりを感じて過ごしたい方には、木造住宅がいいでしょう。
お客様がどれくらいのお庭や駐車場が必要かによって変わってきます。一般的な2階建ての場合は、50坪の土地で車2台と考えると、1、2階で各15坪程度の住まいとなります。ただ平屋は2階がない分、15坪では狭くなってしまいます。車や庭のことを考えるなら、60坪ほどの土地があるといいでしょう。やはり土地に余裕があるのが条件となります。
千葉県茂原エリアは、車2台では足りないとおっしゃる方が多いので、駐車場は2〜3台置けるスペースがあるといいでしょうね。
キッチンやお風呂場などの水回りを近くに設け、生活動線、家事動線がなるべく楽になるプランニングがおすすめです。
平屋の場合、廊下やホールは少なくして空間を有効活用できる間取りがいいですね。開口部の大きさや配置にも気を配り、採光を存分に取り込める設計がおすすめです。
コーナー開口や、傾斜天井の吹き抜けなど、横方向だけではなく縦方向の空間を活かしたプランを考えていくことで、平屋なのに、より立体感を覚える、開放感ある空間が描けます。
また平屋はマンションなどと違い、庭とのつながりが感じやすいという特長があります。掃き出し窓からウッドデッキやタイルテラスなどを設けることで、庭を眺めながら過ごす時間をつくれると思いますよ。
中庭感覚で使えるので、小さなお子様がいるご家庭でも安心です。
駐車場が何台分必要かによって庭として使えるスペースも変わってくるので、最初に決めておきたいところです。
最近では防犯意識の高まりから、エクステリアのデザインにも気を配る必要性を感じています。外からの視線にも考慮しつつオープン外構がいいのか、垣根はどうするか決めていきます。
また窓をなるべく大きく取って、そこから見える景色にも気を配った植栽計画をしていきます。リビングや居室などから緑が見えるように樹木を配置すると目隠しになるだけではなく、ふとしたときに緑が視界に入り、リラックス効果が得られます。
弊社ではできるだけ電気を買わずに太陽のエネルギーを活用する「グリーンモデルパッケージ」をご提供しております。平屋屋根を活用して大容量太陽光発電システムと蓄電システムを搭載し、「スマートハイムナビ(HEMS)」で24時間家中の電力を見える化。できるだけ自然エネルギーを使い、電気を買わない生活を目指します。
「グリーンモデルパッケージ」は、蓄電池が採用されているので、計画停電時でも、大容量の蓄電池に電気を貯めておけるので、災害時でも心強い仕様です。
屋根下を活用した、+アルファの1.5階空間「コンファティック」は、とてもご好評いただいております。通常の階段のように登れるので、不自由なく活用いただけます。多くのお客様から反響をいただき「他にない商品ですね」とお声がけいただくこともあります。
コロナ禍以降、ベランダでグランピングを楽しむ「ベランピング」が話題となり、私たちも、平屋の1.5階のように使える、コンファティックから出入りできるベランダでの「ベランピング」をおすすめしております。通常のベランダのように水栓も取り付けられるので、星空を眺めながらお食事を楽しむ暮らしも実現できます。
30代のご夫婦のエピソードが印象に残っています。来場された当初から「平屋を建てるのが夢」とお話されており、2階建ては一切考えていない方でした。茂原市内で約80〜100坪の土地を購入。木造と鉄骨の2種類をご提案したところ、窓を大きくとれる鉄骨を選択。自然災害に対しても危機感をお持ちで、大容量太陽光発電システムを導入されました。
お客様はアウトドアが好きな方でしたので、お庭でキャンプ用テントを張って室内からも眺めて楽しみたいというご希望がありました。そのためコーナー開口とし、約3m60cmの大開口部のある住まいが完成しました。
きっと庭との一体感を考えると、平屋の生活が合っていたのでしょう。寝て起きてすぐにリビングに出て、そこから庭を感じられる生活なんて、すてきですね……。
これからも続くと思います。少子化に加えて、コロナ禍以降はテレビなどの影響により田舎暮らしに憧れを持つ方もいらっしゃいます。そのような方々は、郊外に土地を購入してご夫婦で平屋生活を楽しむイメージを持たれている方が多いようです。
平屋は戸建てよりも費用が安くすみます。平屋は、コストを圧縮しながらも豊かに暮らしたいと考えている方のニーズに、とても合っているのだと思います。
茂原住宅公園 セキスイハイムへ=>https://www.housing-messe.com/house/20492/
住まい探しの情報収集や知識を身に付けたら、
まずは、ご希望条件に合ったモデルハウス探しや、お近くの展示場を探してみましょう。
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