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住まいのコラム 住宅メーカーによる家づくり講座(vol.3)理想の二世帯住宅を建てるには? 公開日:2023年5月23日(火)
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パナソニック ホームズ株式会社 王子営業所 樫村一輝様

親世帯の高齢化が進むにつれ、あらゆるご家庭が相続の問題に直面します。親世帯が持つ土地や財産をスムーズに子世帯に引き継ぐ手段のひとつが二世帯住宅の建築です。家族がひとつの建物に集うメリットがある一方、親世帯・子世帯それぞれの理想を叶えるためには、充分な事前準備が必要です。

そこで今回は、都内で数々の二世帯住宅をご提案し続けているパナソニック ホームズの樫村様に、理想の二世帯住宅を建てるポイントについてお話をお伺いしました。

時代は「二世帯住宅」に注目

– – – -なぜ、今の時代に二世帯住宅が注目されるのでしょうか。

親世帯側の高齢化と、家屋の老朽化の両方が背景にあると考えています。建物が老朽化して建て替えを検討するタイミングで、広い土地の有効活用と子世帯への相続を一緒に考えたいとご相談いただくケースが年々増加しています。

– – – -流行の二世帯住宅の形はありますか?

二世帯住宅の間取りは、それぞれの居住空間が完全に独立している「完全分離型」と、リビングやバス・トイレ、キッチンなどを共有する「部分共有型」に分類されます。弊社の取扱においては、完全分離型が圧倒的に多いですね。注文数でいえば、部分共有型のおよそ2倍ほどです。

世代としては、親世帯が70歳前後、子世帯が30~40代というご家族からのご相談が多く、資金の負担割合はご家族によってさまざまですが、近年の東京では地価や建築費の高騰が著しいため、親世帯の自己資金をベースに、残額を子世帯の住宅ローンで賄うご家族もいらっしゃいます。

二世帯住宅建築に向けた親世帯・子世帯の話し合い

– – – -二世帯住宅を建てようという話は、親世帯・子世帯のどちらが主導するものなのでしょうか。

話を持ちかけるのは土地を持つ親世帯側からが多い傾向がありますが、話をリードする側は本当にご家族それぞれで異なります。ただし、あくまで傾向ではありますが、親と独身のお子様との組み合わせでは親世帯がリードし、子世帯がすでに結婚して独立している場合は子世帯側のご要望を中心に話が進みやすいかと思います。

– – – -二世帯住宅を建てる前に解決しておくべき問題はありますか?

親世帯と子世帯で住まいに求めるものが異なりますので、しっかりとしたすり合わせが必要です。最初に建物の大まかな構造を決めておけば、あとはそれぞれの世帯で自由に設計できますので、私どもは双方のご希望をしっかりとお話いただくように心がけております。

たとえば子世帯側から「家族が過ごすLDKを広くしたい」という要望が出た場合、建物を縦に割る構造にしてしまうと、広い空間を作りにくくなります。また一方は共有スペースがある環境を希望しても、もう一方が独立した生活を希望するようなら、一部共有型をオススメできない場合もあります。

建物の構造は、建築が始まってしまえば変更はできませんので、具体的な生活のイメージをすり合わせできた上で建築に入れるかが重要です。

– – – -細かいところで意見がぶつかるケースもあるのではないでしょうか。意見のすれ違いをトラブルにしない秘訣はありますか?

ポイントは「要望のバランス」と「世帯ごとの打ち合わせ」にあります。
打ち合わせはまず両世帯合同で大まかな構造を決めるところから始まりますが、この際に一方の意見ばかりが通ってしまうと、もう一方が不満を募らせることにもなりかねません。

一方の意見への偏りが見られる場合には「こういうやり方もありますよ」と、落とし所になるご提案をし、バランスを取るようにはしています。

また、全ての打ち合わせを両世帯合同にしてしまうと、気をつかって本音をいえず、言いたいのに言えなかったという思いを残すことになりかねません。そのため、それぞれの世帯の設計は世帯ごとにお伺いし、必要があるときだけ合同の話し合いの場を作るようにしています。

弊社の二世帯住宅には頑丈な重量鉄骨を採用しています。柱の数を減らすことで間取りの自由度が上がりますので、双方のご要望を同時に叶える設計をしやすいと思います。
さらに建物の大きさを15cm刻みで変えられるシステムを独自に採用していますので、都内の狭小地でも細やかな調整が可能です。

二世帯住宅が生む世帯間の交流

– – – -二世帯住宅にすることで、家族にどのようなメリットがありますか?

これは打ち合わせの段階からなのですが、世帯間のコミュニケーションの回数・量が確実に増加します。

離れて暮らしていると、盆暮れ正月くらいしか顔を合わせる機会が無いというご家族も少なくありません。しかし、打ち合わせのために集まるようになると、1〜2週に1回は集まっていただくようになりますので、会話が増えてうれしいというお話も伺います。特に親世帯側からすればお孫さんと会う機会が増えますので、打ち合わせの日が楽しみと言っていただけますね。

実際に住み始めてからも、適度な距離感のコミュニケーションが心地いいというお話をよく伺います。20〜30代の子世帯は親と一定の距離感を保ちたいと思いつつも、すぐに駆けつけられないほど遠くにいると心配というお気持ちもありますので、プライベートな空間を守りつつ近くにいられる距離感がちょうどいいようです。

– – – -二世帯住宅をどのようなご家族にオススメしますか?

先日お引き渡しが終わった現場での話ですが、着工してからお引き渡しまでの間に子世帯に赤ちゃんが生まれました。計画の段階から赤ちゃんの誕生を想定した話し合いはされていたのですが、実際に生まれてみると、ご家族が感じる温かみは想像以上だったと感じます。

先ほど親世帯70歳前後、子世帯30~40代がボリュームゾーンというお話をさせていただきましたが、個人的には子世帯が若いうちに二世帯住宅をご検討されるのもよいのではと考えています。おじいちゃんおばあちゃんにお子さんの面倒を任せられるだけで、選べるライフスタイルの選択肢が広がるかと思いますので、ぜひともご家族全体のライフプランも加味しながらご検討いただきたいですね。

二世帯住宅の今後のあり方は?

– – – -変わった形の二世帯住宅を提案したというようなエピソードがありましたら教えてください。

現在建築中のお客様から、5階建ての二世帯住宅をご注文いただきました。1階はご家族で経営されている店舗フロアにし、2階は親御さん世帯。3階から5階をお子様世帯とし、4階にLDKを設けるという設計です。

専有する広さに差がありますが、親御さん世帯は新居でゆっくりのんびり過ごしたいというご希望がありましたので、ご夫婦が望む暮らしやすさを重視した設計のワンフロアに。お子様世帯は元々マンションに住んでいたこともあり、見晴らしのいい階でくつろぎたいというご要望から、4階のLDKという設計にし、どちらもご満足いただけました。

この構造は、最大9階建てまで対応できる弊社の重量鉄骨だからこそ実現できました。一般的な二世帯住宅とは異なる多層階の構造となりましたが、親世帯・子世帯それぞれのご希望を叶えられる二世帯住宅となった、いい事例だと考えています。

– – – -未来に向けて二世帯住宅はどのように変わっていくと思われますか?

今後さらに少子高齢化が進むにつれて、相続対策としての二世帯住宅のご相談が増えていくと予想しています。また、将来的には片方の世帯を賃貸として貸し出すことを視野に入れた完全分離型のご注文がさらに比率を上げそうです。

また、これは現場レベルでの話になりますが、お客様側がイメージされる二世帯住宅の形がより明確になっていくだろうと感じています。最近はYouTubeやネット記事などで二世帯住宅の勉強をしてから展示場に来られる方も多く、私どもからの説明を受ける前にしっかりとしたイメージをされている方もいます。

– – – -ネットの普及でそのような変化もあるのですね。

「パナソニックはこういう工法がいいよね!」とおっしゃる70代の方もいらっしゃって、私も勉強になるくらいです。

相続の話は親世代から切り出すケースが多いこともありますので、今後、今の50代60代がシニア世代になり、しっかり勉強した親世代として家づくりをリードしていく傾向が強まるのではないでしょうか。

もちろん、私どももネットだけでは得られないようなプロの目線からのアドバイスをさせていただきますので、ぜひ積極的にお問い合わせいただきたいと思っております。ご家族のこれからの生活にあった二世帯住宅を実現できるようにお手伝いいたしますので、お気軽にご相談いただければと思います。

王子住宅公園 パナソニック ホームズへ=>https://www.housing-messe.com/house/6520/

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