トレンドを知り尽くす家電王が教える!新築だからこそ選びたいイチオシ家電カタログ

2022年1月27日

待望の注文住宅に移り住む人も購入準備を進めている人も、いざ引っ越すのなら家電を買い替えたいと思う人が多いでしょう。しかし、自分がこれから住む新居に合う製品を判断するのは、意外と至難の技…。高価な家電も多いからこそ、セレクトは失敗したくないですよね。

そこで今回はテレビや各種メディアで活躍し、「家電王」と呼ばれ称賛を浴びる中村剛さんにお話を聞きました。家電王が大切にしているという「自分の暮らしに合う家電の選び方」と、注文住宅向けにおすすめの最新製品をお伺いしました。

中村剛さんプロフィール

東京電力エナジーパートナー株式会社勤務。2002年に『TVチャンピオン』のスーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営にあたる。現在は「家電王」として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、雑誌や新聞などのさまざまなメディアで暮らしに役立つ家電情報を発信している。Twitter

 

家電選びのコツは、人のオススメを気にしすぎない!?

まずは中村さんに、現在の「家電トレンド」をお伺いしてみました。

「現在のコロナ禍で、人々の家電への関心は以前より高まっていますし、実際売り上げも伸びています。家の中で過ごす時間が長くなり、暮らしの質を高めたい人が増えているのでしょうね。
目立って売れているのは、スティック掃除機・空気清浄機・加湿器・電気圧力鍋など。個人のウェルネスを維持するための便利家電に注目が集まっています」

インターネットにはSNSや動画での家電情報も増えています。あまりにも量が多すぎて、長い時間かけて悩んでしまう…なんて人もいるのではないでしょうか。

「家電を探すコツは、あまり人の意見に左右されすぎないことです。
誰かがいいと言っていても、結局は住む家に合わなければ製品の本領を発揮できません。ネットの情報だけでは想像がつかないことも多いでしょうから、まずは量販店に行って比較しながら実物を眺めるのがオススメです。
気になるものがあれば品番をメモして、インターネットでプレスリリースを検索してみてく
ださい。特徴的な情報がわかりやすく整理されているので、比較などがしやすいですよ」

量販店で実物を見ることで、サイズ感やデザインが部屋に合うのかじっくり検討できるのだそう。またどんなふうに使いたいのか、どんな機能が欲しいのかは人それぞれですから、自分に必要なスペックを比較検討するのがおすすめです。

自由度の高い注文住宅だからこそ、妥協しない家電選びを

「『なるべくいいものを安く』と考える人もいるかもしれませんが、価格だけに捉われてしまうのも考えもの。自分が実現したい暮らしに合わせて家電を考えることが必要です」

大型家電は欲しいものがあっても、住宅のサイズによっては搬入が難しいこともあります。マンションや建売住宅ではどうしようもないですが、注文住宅なら欲しい家電に合わせた設計が可能です。
だからこそ、住宅購入の際に妥協せず家電選びをすることが大切なのだそう。

「家の設計と並行して家電選びをしておけば、欲しい製品に合わせた家のつくりにしておくことができます。
特に工事が必要なキッチンの食洗機の有無・コンセントの配置・仕切り壁の有無・取り付けられる照明の数や位置
など、家電選びを考慮して家づくりをした方が便利に使えて見た目も美しくなりますね。

今は、自分のライフスタイルに合わせて家電を選べる時代です。
例えばリビングはテレビを置きたいのか、プロジェクターを置きたいのか。炊飯器でお米を炊きたいのか、多機能な電気圧力鍋で代用するか、など。家電は買い替えにもコストがかかりますし、毎日使うものは後から売りづらい。
予算もあると思いますが、あまり妥協せずに長く使えるものや高価でも使い勝手のいいものを選んだ方が結果的に幸福度は高くなるはずです」

過ごしやすい家づくりを考えるときに、多くの人にとって家電の存在は欠かせません。だからこそ、予算と優先順位をしっかりすり合わせたうえでのセレクトが大切です。

「注文住宅って、今までの住環境で諦めていたことを実現できる空間になると思うんです。お金も時間もかけてイチからつくり上げる家だからこそ、家電もそこにふさわしい見た目と機能のものを選んでほしいですね」

家電王直伝!注文住宅向けおすすめ家電カタログ

大切なのは「自分の暮らしと家に合うかどうか」ということは分かりましたね。
とはいえ家電ごとのトレンドも押さえておきたいし、せっかくだから家電王推薦の逸品も知りたいという人のために、2022年現時点での「注文住宅に合う家電」の選び方とオススメ製品を教えてもらいました。

【テレビ】「動かせる」という斬新機能で可能性を広げる

「まずは、そもそも自宅にテレビが必要かを考えてみてください。毎晩のように家族とリビングでテレビを楽しみたいという人はあった方がいいでしょうが、そうでないならプロジェクターやモニターに外付けのチューナーをつける程度でも代用はできます」

スマホやタブレットも普及してテレビの利用頻度が低いご家庭も増えてきている昨今、家電王がオススメしたい注文住宅向けのテレビは「レイアウトフリーテレビ」なのだそう。

「たとえば、パナソニックのレイアウトフリーテレビ「LF1」なら、その名の通り置く場所を選ばず移動することができます。モニターとチューナーが別になっていて、部屋を隔てていても4K放送を無線伝送してくれるので、コンセントを抜いてモニターを家のどこででも楽しめます。
モニターのスタンドはキャスター付きなので手軽に移動できて、掃除もしやすいのも嬉しいポイント」

【プロジェクター】「動画は夜派」の人は工事不要で大画面のモデルを

動画は夜にゆったりという人やテレビをあまり見ない人は、今どんどん進化の進んでいるプロジェクターはいかがでしょう。今どきの製品はテレビ機能を代用することもできるのです。

「外付けのチューナーを使って地上波テレビを鑑賞することもできます。広い壁が必要なのと昼間の明るい時間は画面が見づらいなどデメリットもありますが、鑑賞は夜中心という人なら、インテリアの景観を崩さないプロジェクターはピッタリ」

しかし、天井に取り付ける場合は工事が必要な場合もあったり、壁との距離によっては画面サイズが限られたりと制約も多いのでご注意。でも、そんななかでも設置しやすい最新モデルがあるのだそう。

「『popIn Aladdin 2』は、照明の引っ掛けシーリングを使って工事なしで天井に設置と電源供給が同時にできる優れもの。映したい場所の正面に製品を設置できなくても、補正機能で見やすい長方形を保ってくれます。
テレビ以外にもYouTubeや子供向けに絵本の動画を流すこともできます。スピーカーが高音質な点も見逃せません」

【洗濯機】希望のライフスタイルに合わせて乾燥機能の有無を決定

どんどん自動化が進む洗濯機は、いいものをセレクトすると家事の苦労を大きく減らしてくれます。中村さんによれば、最初に注意すべきは「乾燥機能が必要か」を考えることなのだそう。

「どうしても外に干したいという人は乾燥機能をなしにして価格を抑えられますが、そうでないなら乾燥機能のある洗濯機を使うと、暮らしぶりが一変しますよ。
今はスマホで遠隔操作できる製品も増えているので、外出先から洗濯を開始できたり、終了時刻を帰宅時間に合わせて変更できたり、生活様式にもうれしい変化があります」

「今回推したいのはパナソニックのななめドラム洗濯乾燥機NA-VG2600R(生産終了)。トレンドの洗剤自動投入機能はもちろん、忘れがちな洗濯槽掃除も洗濯と同時に勝手にやってくれるので手入れの手間がかかりません。
温水を使うので服の汚れが落ちやすく、汗をよくかくお子さんの衣類も清潔に保てます」

【食洗機キッチンの景観を損なわないビルトインを選ぶべし

家事に育児に忙しいご家庭こそ購入して損がないのが食洗機。注文住宅ならビルトイン食洗器を選択できます。

「食洗機の配線や水道工事は後からすると手間も時間もかかるので、住宅設計と同時に導入を検討するべきでしょう。据え置き型なら工事の手間は減りますが、使わないときは目線に入り、キッチンスペースも狭くなるのでせっかく注文住宅を買うならビルトインタイプがオススメです」

「食洗機市場をリードし、アップデートし続けているパナソニック製品がいいでしょう。『K9 Plusシリーズ』は高温・高圧水流で、洗浄後は「ナノイーX」送風をすることで、庫内を除菌し手洗いより衛生的です。
ノックを2回すると自動で開閉できたり、食器量や汚れの量に応じて自動で洗剤を投入してくれたり、次世代感のある逸品です」

【冷蔵庫】サイズに悩んだら大きめを買って間違いなし

大型家電の冷蔵庫は搬入も大変なので、引っ越しと同時に買い替えを検討したいところ。長い間暮らしていく場所だからこそ、家族の人数が変わったときのことまで深く悩んでしまう家電でもありますが…。

「冷蔵庫は悩んだら大きめサイズを買っておくのが正解。中がパンパンだと冷却効率が下がるし、中に入れた食材も見落としがちです。実は電気代も大きめサイズの方が意外とかからないのです。小さい冷蔵庫より断熱材もしっかりしています。食材の視認性を向上することで、フードロスの削減にもつながります」

たしかに、電気代よりも買って捨てるだけになってしまう食材代の方があまりにももったいないですよね。

「AQUAの『AQR-TZA51K』は、冷凍室が6つのボックスに分かれているので整理しやすく、奥も見やすい照明で食材が中で埋もれづらいんです。
特に冷凍機能に優れていて、冷却効率を下げてしまう冷却器の霜を除去する際、庫内温度上昇を防ぐ対策をしている優れもの。プロダクトデザイナー・深澤直人さんデザインで、インテリアになじむビジュアルも秀逸です

【掃除機】日々の清潔さを保ってくれる「AI機能」に優れた賢い一台を

今や当たり前の家電となりつつあるロボット掃除機。各メーカーから販売されているためどれを購入するか悩みますが、中村さんの中では明確なポイントがあるのだそう。

「ロボット掃除機は、AI研究が進んだパイオニアメーカーのものとそうでないものでは、機能の差が歴然なんです。妥協はせず、信頼のおけるメーカーを選ぶのが間違いなしといえます」

「オススメはアイロボットのルンバシリーズ。特に新製品の『ルンバ i3+』は、今までのモデルと比べるとリーズナブルな価格です。機能が落ちたというわけではなく、単純に価格設定の見直しなので、買いどきといえます。
充電器にゴミ収集機がついていて、掃除を終えて充電と同時にゴミを回収してくれるので、ケアの手間が少ないのも嬉しいですね」

【空気清浄機シンプルに空気をキレイにする性能があるものを

中村さんによれば今ちまたで売れている清浄機は、加湿機能や暖房機能などが備わっているハイブリッドタイプが多いそう。しかし、中村さんのレコメンドは違うようです。

「清浄機って場所を取るので、狭い日本の場合は他の機能兼備で省スペースを考えがちですが、加湿機能などがあると本来の目的である空気をキレイにする機能とのバランスが悪い製品が多いのが実情です。
どうしてもリビングが狭いからという理由なら仕方ないですが、そうでないなら別々の購入が理想ですよ」

加湿機能がついていると水が汚れやすいので 清浄機部分にもカビなどが付着しやすくなるそう。掃除をサボると、部屋にカビ菌をまき散らしているだけ…ということにもなりかねません。

「そこで、オススメはBlueairの『Protect 7770i』。スウェーデンのブランドで、とにかく清浄機能に特化して優れているため、世界中で愛用されています。
ウイルス・カビ・ダニ・PM2.5なども除去できるので、家にいる時間が長い今こそ体調不良の防止にも期待できます」

スマートスピーカー】「音質」にしっかりフォーカスすべし

低価格の製品も増えてきて、手に取りやすくなっているスマートスピーカー。反面、どれを使っても一緒というイメージもありますが、明確に差が出るポイントがあるそう。

「大半の製品はスピーカーといいながらも、音質はさほど重視されていません。今はAmazon AlexaとGoogleアシスタントに対応したスピーカーも増えているので、音にこだわりのあるメーカーのものを買うと、音楽体験が変わりますよ」

「おすすめはBoseの『Smart Speaker 500』。優れた音質で世界中に知られる音響メーカー・Boseのスピーカーで、Amazon AlexaとGoogleアシスタントに対応したスマートスピーカーです。
音楽のコントロール・情報収集・スケジュール管理など、日常生活の相棒として迎え入れたい一台」

一人ひとりの家にマッチした家電を

「家電はどんどん便利になっているけれど、上手く選べない、選び方が分からないという人は本当に多くて。僕はただ安いもの、ただ新しいものを紹介するわけでなく、その人の暮らしに合った製品をマッチングさせてあげたいと思っているんです

「何人暮らしで」「どこに住んでいるのか」「どんな暮らしがしたいのか」にも着目すれば、もっとあなたの望むライフスタイルと、その家に必要な家電が見つかるはずです。
ぜひ生活のパートナーになるような製品を見つけてみてください。

 

Photo_Koji Kanatani Interview & Text_Shiori Mikuni Edit_Yasushi Shinohara